エンタがビタミン

writer : miyabi

【エンタがビタミン♪】NHK小野文惠アナ「何が楽しいんでしょう?」 人間ピラミッドを一蹴。

運動会や体育大会で行われる「組体操」の巨大化する人間ピラミッドについて、今秋は多数のニュース番組やワイドショーでその危険性や問題点を取り上げていた。だが多くは15分ほどの短いコーナーで、なかなか深く掘り下げることができなかった。10月10日放送の『週刊ニュース深読み』では専門家を交えながらわかりやすく、また人間ピラミッド問題だけでなく“体育”と“スポーツ”の違いまで幅広い議論が展開された。その議論の最中、メインキャスターの小野文惠アナが“運動が苦手”“スポーツが楽しくない”子ども時代だったからこその意見が、視聴者の大きな反響を呼んでいる。

そもそも「組体操」は学習指導要領に記載が無いので実施していない学校があるにもかかわらず、毎年全国で負傷事故が多発し(同番組の調べでは年間/8500件)重い後遺症が残るケースも報告されている。それでも毎年、組体操を続け「より高い人間ピラミッドに挑戦しよう」とする学校があるのはなぜか。『週刊ニュース深読み』(NHK総合)の調べでは、教師側の思いとして「協調性、一体感、達成感が得られるから」、保護者や学校のOG、OBからは「感動、伝統、我が子の成長が確認できる」との回答が多かったそうだ。

小6の息子の父親であるNHK解説委員も「運動会の組体操は感動しました」と言い、東京都教育委員の乙武洋匡氏は「組体操を神聖化している学校もあり、危険だと教師が思っていても言い難い空気になっているところがある」と話す。しかし両氏とも組体操をやめるか続けるかではなく、人間ピラミッドの段数についての議論を深めてもらいたいとの意見では一致していた。またスタジオの出演者や一般の視聴者からも、協調性、一体感、達成感を得られるのは「組体操」だけでは無いはずという指摘が多かった。

これらのやりとりが続く中、小野文惠アナが突然「私、わからないんですよ」と疑問をぶつけた。自身は組体操でタワーしかやったことが無いが、四つん這いになってピラミッドの土台になることが“何が楽しいんでしょう?”と怪訝そうに言い「拍手されるのがうれしいのかな…」とつぶやく。この言動に乙武氏は彼女が体育嫌いな子どもだったことを見抜いたのか、後に笑いながらそれを指摘していた。乙武氏や東京学芸大学教育学部の鈴木聡准教授は、小野アナのように体育嫌いの小学生に何とかスポーツを好きになってもらいたいと教師時代は子ども目線で指導に当たってきた経験を持つ。上からの強制でやらせるのではなく、スポーツを通して子供たちが自ら考える力と相手を尊重できる力を養い、生涯を通してスポーツを楽しんでもらえたらというのが、彼らの願いでもあった。

だが小野アナは「そんなにみんな、スポーツをやらなきゃいけないんですか?」「みんなで楽しさを発見しなきゃいけないものですか」と、組体操うんぬんよりも学生時代の体育の授業に大きな不信感を持っているような発言を続ける。25m泳げなければ夏休みに入れないと言われ、特訓して泳げるようになったものの“私は一生泳ぐのはやめよう”と水泳が大嫌いになったこと、運動会は体育が得意な子が活躍する日で自分は目立たぬようにしていたこと…これらを孤軍奮闘状態で彼女が主張していたのは、同番組に寄せられた小野アナのような思いを抱いている視聴者からのツイートが少なくなかったからであろう。

「学校で一体感とか達成感を学ばなければいけないんですか?」との視聴者からの声にも、共感していた小野アナ。『乙武洋匡(h_ototake)ツイッター』によると今回、番組史上最多となる4000を超えるツイートが同番組に寄せられたそうである。もちろん組体操に対する賛成、反対の意見が多くを占めていたのだが、「私は小野アナ派だな」「スポーツ大嫌いの小野アナがぶっちゃけてて清々しい」「あんたの意見“も”正しい」など、彼女の思いに同調するツイートは非常に多かったのだ。

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(TechinsightJapan編集部 みやび)