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writer : ume

【エンタがビタミン♪】田原総一朗×元防衛大臣・森本敏が熱弁「日本の一番の危機は北朝鮮」

戦後70年を迎え戦争とは無縁だった日本が今、安全保障関連法案をめぐり揺れている。反対集会が連日のように行われる中で15日、早稲田大学・大隈記念講堂・小講堂にて映画『ドローン・オブ・ウォー』(10月1日公開)公開記念 田原総一朗×森本敏トークショー上映会が開催された。映画を観終わった観客を前に「新しい戦争の形・ドローン」から日本が抱えている問題、近隣諸国について熱いトークが繰り広げられ、時間がいくらあっても足りないほど白熱した。

フリーキャスターの長谷川豊が司会を務めたこの日のイベント。集まった観客も真剣な表情で田原総一朗と拓殖大学教授/元防衛大臣・森本敏の話に耳を傾ける。

『朝まで生テレビ』のような熱いトークは健在 田原総一朗

冒頭、映画についての感想を語った森本は「一番の問題は兵器システムが恐ろしいのではなく、何か目的のために使う人間の意図に問題がある。ドローンが国際社会の中で議論になっているのは、兵器のシステムを自動的にコンピューターで操作し人間の意志が介入しないで人を殺傷することが認められるかどうか」「目標に対してコンピューターで確実に人を殺していくことを積み重ねると、リスクを負うことなく人を殺す功績が積み重なる。こういう人に勲章を与えるべきかアメリカで大議論になっている、人間が直面する全く新しい課題だ」と語った。

「新しい戦争の形が世界中で始まっているのか? これはアメリカだけの兵器なのか?」と長谷川から質問が投げかけられると、森本から聞いたという田原が「北朝鮮は沢山ドローンを持っている」と話す。

森本も付け加えるように「攻撃用の無人機は少なくとも300は持っているが、エンジンの開発が進んでいないので航続距離は40から60キロくらい。絶えず韓国に飛ばして韓国の上空に入るが、上手く運用できずに韓国の中で捕捉されている」と説明。「中国は(北朝鮮の)数倍持っている。偵察用以外に攻撃用だけで7種類くらい数百所有する。ロシアももの凄く持っている」と明かし、観客を驚愕させた。

ドローンについての恐怖を語る森本敏

一方、日本の陸上自衛隊はUABという無人機を3機装備し災害派遣の偵察用としてテスト使用、航空自衛隊も平成30年から運用される偵察用のグローバールホークを3機購入することが森本から語られた。日本も条件のもと規定・目的以外で(ドローンを)使わない法律が国会で通ったことについても触れた。

今日も吼えた ジャーナリスト・田原総一朗

ドローンの話が続く中、安保法制や近隣諸国についても話が及ぶ。田原が一番問題視するのは「朝鮮半島」だと言い、「北朝鮮のカリアゲのお兄さん(金正恩)いるでしょ? 彼がオジサンを殺したことで中国の関係は決定的に悪くなった。中国の人民解放軍が北朝鮮との国境に大量に集まっているのは、北朝鮮で何かが起こる可能性があるから。一番起こる可能性が高いのは、カリアゲのお兄さんが暗殺されること。周囲の何十人も殺し疑心暗鬼の象徴となっている」「中国軍が北朝鮮に入った場合、米軍は北朝鮮に行くと思いますね」と持論を述べた。

一昨日まで韓国を訪問していた森本は「半島統一シナリオを中国・韓国・アメリカ・ロシア・日本の5か国で会議していた」と明かし、平和的なシナリオを考えている韓国に驚いたと話す。

また滞在中、韓国国防省次官と話し「日本で安保法制を議論しているが、韓国領域の中に間違っても入ってこないよう釘刺しておく、と。北朝鮮は韓国憲法では韓国領域だから日本が自衛権を行使して北朝鮮をたたくのは韓国政府の許可がいる。それが分かっているなら日本の中で北朝鮮攻撃という間違った議論を起こすのは困ると、ものすごく高飛車に言われた」と憤慨した様子で語った。

興味深い話に司会の長谷川豊も熱が入る

「このまま朝まで生でいいんじゃないかな?」と発した長谷川の言葉につられるかのように、終了予定時刻を30分以上過ぎても話が尽きない。

「日本の安全保障にとって緊急で短期的なリスクなのは北朝鮮。中長期的なのは中国。そこは心得ていないといけない。この安保法制がある種の役割を果たすかどうかは法律が通った後、自衛隊がどういう活動ができるのか? 実際に体制を整えるために手順に基づき訓練したり、他国に後方支援する体制が出来ていないので、これから施行管理が必要。答弁はされていない」と森本は最後に訴えていた。
(TechinsightJapan編集部 うめ智子)