過去にも女性芸能人が乳がんを発症し手術を受けたことがわかると、テレビの情報番組でも特集を組み、専門家らは検診の重要性を訴えていた。また40代以降になると、周囲にも乳がんを患う人が出てきたりする。それでも乳がん検診の平成25年度受診率は、全国で17.5%(対象年齢は40歳から69歳 政府統計の総合窓口より)である。このように芸能人や知人で乳がんを患うケースを見聞きしても、今まではなかなか日本女性の検診受診率が上がってこなかった。しかし今回、北斗晶が乳がんで右乳房を全摘出したニュースは多くの女性を「私も検診に行こう」と決心させているようだ。
北斗晶は売れっ子タレントの一人であり、同年代の一般女性と比べれば遥かに収入も多いであろう。しかし家事は手を抜かず、息子2人の子育てにも一生懸命。芸能人であっても町内会やPTA役員を引き受け、地域や学校の行事にも顔を出してきた。唯一嫌いな家事はアイロン掛けらしいが、ブツブツ言いながらも家族のために怠けることはしない。ブログや出演する番組から伝わる北斗の印象は、庶民的で器の大きい“埼玉の肝っ玉母ちゃん”。そんな彼女の女性ファンが日本中にたくさんいたことは、病を公表後『北斗晶オフィシャルブログ「そこのけそこのけ鬼嫁が通る」』に寄せられた万単位のコメントが物語っている。
『5時に夢中!』(TOKYO MX)で火曜レギュラーとして北斗とコンビを組む岡本夏生は、ブログ『人生ガチンコすぎるわよ!』で次のように述べている。
「アキラホクトさんの大事なオッパイの片方が、残念ながら居なくなってしまいました」
“切除”という「悪い所を切って取り除く」という表現をしなかった岡本。日本女性の12人に1人が生涯に乳がんを患うという現在、これほどまでに乳がん検診の重要性を広く伝えることができたなら「アキラホクトのオッパイは世界を救ったんだよ!」とブログは続けられている。この思いを岡本が一番伝えたかったのは、北斗本人へだろうか。
北斗が手術後更新した27日のブログに、乳腺専門のクリニックで働いている方からのコメントがあった。そのクリニックでは北斗が乳がんを公表してから、検診に訪れる人が5倍に増えたとのこと。その中には、乳がんの疑いで大きな病院を紹介した人が数名いたそうだ。「北斗さんの影響力、凄いです!」と驚いている。
これが一時のブームではなく継続的に検診を受けることが重要で、それが北斗晶の心からの願いであるはずだ。
(TechinsightJapan編集部 みやび)