米バージニア州で26日、男が取材中のTVリポーターとカメラマンを銃撃して逃走した事件。容疑者の男はその後自殺したが、この男の追跡を成功させたのは警察車両に装備されている小さな機器“ナンバープレートリーダー”であったことが発表され、話題となっている。アメリカでは車に乗ったまま犯罪に巻き込まれる例も多く、必ずといってよいほど犯人も車で逃走。防犯、犯人検挙、そのいずれの立場においても今は様々なツールが活躍しているもようだ。このたびの事件で注目を集めたナンバープレートリーダーとは…!?
バージニア州のTV局「WDBJ」がライブ中継を行っていたスミス・マウンテン湖で、女性リポーターのアリソン・パーカーさん(24)と同行カメラマンのアダム・ワードさん(27)が突然凶弾に倒れたこのたびの事件。マイクを向けられていた地元商工会議所の事務局長も重傷を負って入院中である。容疑者は現場からシボレー車で逃走し、警察はハイウェイを走行中のベスター・リー・フラナガン(41)を発見。しかしパトカーの制止命令に間もなく自殺を図り、病院で死亡した。
この事件について州警察は記者会見の場で、州機動隊パトカーのトランク上部に設置されている“ナンバープレートリーダー”と呼ばれる小さな探知機器の画像解析テクノロジーが、容疑者の乗るシボレー車の追跡に威力を発揮したことに触れている。逃走車のナンバープレートの情報を得ると、警察の各車両は車内にあるそのシステムにそれを入力。かつては目視を頼りに追跡が行われていたが、この機器は広範囲かつスピーディーな動きにも反応し、該当するナンバーの車両が脇を通過すると反応する。あとは目視で車種や色から1台を特定するという。
また先日、フロリダで観光客が高校生グループに襲われ車ごと誘拐された事件では、個人が契約して車に搭載する24時間体制の防犯システム「OnStar」が事件の解決につながったことが発表されていた。これは車内のボタンひとつで車両そのものがスマホと化し、オペレーターに事件発生を知らせるものである。このようにアメリカの警察が記者会見で手の内や捜査に役立ったツールを明かすのは、犯行を企てる人間に「次々と優れたシステムやツールが登場している。逃げおおせるものではない」とそれを抑止する目的がある。
ちなみにラスベガスでは街路灯が防犯に寄与している。監視システムをしのばせたLED街路灯が等間隔で設置され、マイクは音や通行人の声すら録音し、情報はワイヤレスで監視室に送られるという。このように防犯の面でもさまざまな優れものが登場しているが、実は日本の銀行や郵便局が行っている逃走した強盗犯に蛍光塗料入りカラーボールを投げつけるという方法も評価を得ており、アメリカでは“スティッキー・ダーツ”というダーツ型のものが普及し始めている。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)