米フロリダ州オーランドのホテルで、休暇を過ごしていた男性を男子高校生4名が銃で脅して車を奪い、財布を強奪するという事件が起きた。逮捕された少年らの感覚は「ゲーム」に過ぎなかったという。

フロリダ州オレンジ郡オーランドで12日、夏休みを家族とともに過ごしていたテキサス州出身の連邦税関・国境警備局職員アルマンド・アラニスさんが車ごと誘拐されるという事件が起きた。拳銃で強く殴られ頭から出血していたアルマンドさんは病院で治療を受けたが、少年ギャングの暴走ぶりに市民や教育関係者の間で改めて波紋が広がっている。

アルマンドさんは12日夜、宿泊していたホテルの駐車場で荷物をまとめていたところ、突然銃口を突き付けられ、後部座席に押し込められると手足を縛られ、財布を抜き取られた。車はその後ドラッグ使用者が集まるある廃屋で捨てられ、アルマンドさんを残したまま犯人らは逃げ去った。しかしその後、15歳の男子高校生が親に伴われて出頭。ストリートギャングのメンバーであるグレゴリー・マクドナルド（19）、ダンテ・アスキンズ（18）および16歳のいずれも男子高校生が次々と身柄を拘束された。ダンテは16歳であった2013年、敵対関係にあるストリートギャングの一員に対する殺人未遂事件に関与しており、18歳と成人になった今回は裁判所も容赦しないものとみられている。

ちなみにこの事件の解決に大きく寄与したのは、米国の車両に多々装備されるようになった「OnStar」と呼ばれるセキュリティシステム。アメリカでは車ごと犯罪に巻き込まれるケースが多く、ボタンひとつで車両そのものがスマホと化し「強盗です、助けて！」などと叫ぶことで緊急事態を告げられる24時間の防犯システムである。このたびもアルマンドさんの「助けてくれ！」という叫び声をキャッチして彼らが動いていた。オーランドはアメリカの一大レジャー都市でありながら、ドラッグが蔓延する犯罪多発都市でもある。車を暴走させる若者、ストリートギャングの抗争などパトロールする側もますます命がけになっているという。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）