「この子は何でも手伝ってくれる本当に賢い優しい子なの」と嬉しそうに目を細めるその女性。イギリスの一般人女性が愛犬を介助犬さながらの実に賢い犬に育てあげ、愛犬家らの大きな関心を集めている。
「捨てて」と言われれば、それを口にくわえてゴミ箱へ。「ゴミ収集車が来るわ」と言われれば、大きなゴミ袋をくわえて外のボックスへ。英イースト・サセックスに、介助犬訓練士も驚くような賢さでご主人に仕える“クロエ”という名のニューファンドランド犬がいた。飼い主のヘイゼル・カーターさんは76歳。英メディア『mirror.co.uk』とのインタビューでクロエとの出会いについてこう話している。
「2010年、生後8週の時に譲り受けたの。でもクロエは溝に落下して足を怪我し、思うように動けなくなったわ。3か月ほどでクロエの体は回復したのに次は私が怪我してしまって。散歩に連れ出してもらえないイライラを募らせているクロエに、私は室内でできるトレーニング・ゲームをたくさんやってあげたの。すごく楽しそうなクロエに、この子はトレーニングさえすればインドアでも大丈夫だと気付いたわ。」
やがて洗濯機の衣類の出し入れを行うようになり、雑草を取り、ヘイゼルさんの調理の補助をもするようになったクロエ。玄関先から新聞を取って来る、扉を閉めるなどは朝飯前だが、生卵やメガネといったものもデリケートに運んでくれる。今では指示待ちどころか気を利かすようになっており、「私が鍋を取り出すとクロエはさっとストッカーからジャガイモを持ってきてくれるわ。ほうきを持てばチリ取りを、そしてクシャミをすればティッシュを持ってきてくれるの」とヘイゼルさんは嬉しそうに話す。
「最高に頑張ってくれたのはクリスマスケーキ作りの時。クロエは食料品のストッカーから言われた材料をすべて取って来てくれたのよ。」
犬の優れた知能については動物の専門家もかねてから太鼓判を捺している。それを最大限に引き出すほどの機会を一般家庭では与えていないが、実は驚くほど高く、訓練されてタスクを覚え、それを褒められることが何よりの幸せだというのだ。特にこのニューファンドランド犬は、カナダなどでは作業・海難救助犬として重宝されており、クロエも例外ではなかったようだ。だが「訓練はやはり忍耐勝負、大変だったわ」とヘイゼルさん。5年という長い月日が必要であったという。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)