海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】中国、年内にも「二人っ子政策」施行開始か。ただし経済的理由で「一人でいい」派も。

中国では1979年に示された「一人っ子政策」の影響で出生率がかなり低下し、政府は地方部を皮切りにその撤廃に向けて動き出していた。今彼らが掲げているのは「二人っ子政策」。それがどうやら今年中にも全土に導入となるもようだ。

「一人っ子政策を緩和する、これからは二人の子を是非生み育てて欲しい」と家族計画に関する政策を転換した中国政府。「中国の全人民がそれを喜ぶとはとても思えない」といった報道が相次ぐ中、その「二人っ子政策」が年内には施行となる見通しであることを『China Business News』『China Daily』ほか複数のメディアが伝えている。

「一人っ子政策」については、働き手がひとりでも多く欲しい中国の地方農村部では、最初に生まれた子供が女の子であった場合、2人目を生むことが許可されてきた。ただし経済的事情から「一人で十分」と考える家も多く、その場合は労働力となり跡継ぎとなる男の子をと強く望むあまり、生まれた赤ちゃんが女の子なら、子供に恵まれなかった家庭に高値で譲るといった人身売買が極秘に行われてしまうことも大きな問題であった。

やがて政府は、国家衛生計画生育委員会(National Health and Family Planning Commission:NHFPC)の専門家の助言をもとに「二人っ子政策」を打ち出し、現在いくつかの市町村で試験的に導入されている。だが経済的に裕福な家庭ばかりではない上、最愛の一人っ子に出来る限りの贅沢と教育をといった“一品豪華主義”的な子育て観をよしとしている家庭が多い結果、「二人っ子政策などといわれても、養育、教育費などの経済負担を考えれば子供は一人で十分」と考える夫婦も少なくないという。

その「二人っ子政策」について今年2月、人口政策担当の政府高官が「すべての夫婦に2人の子を生み育てるよう義務づけたい」などと発言。人々は「無理強いはごめんだ。なんでも政府の思うようにいくものではない」と痛烈に批判したと報じられている。先述した一人っ子政策の緩和により、昨年この国で誕生した赤ちゃんの数は、一昨年より47万人多い1,680万人であったという。これが来年以降どう増え、20年後はどれほどの人口になっているのか、世界中の専門家が高い関心とともに見守ることであろう。

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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)