13日、東京・有楽町にて映画『愛を積むひと』完成報告会見・完成披露試写会が行われ、夫婦役初共演の佐藤浩市、樋口可南子、北川景子、今最も注目される女優のひとり、吉田羊ら豪華キャストが登場した。
「日本で最も美しい村」連合第1号に認定された北海道・美瑛町を舞台に1年かけて撮影されたという本作。佐藤浩市、樋口可南子をはじめ、北川景子、野村周平、杉咲花、吉田羊、柄本明、朝原雄三監督が登壇するとそこは映画の舞台となった北海道のように大らかな空気が流れたような錯覚を覚える。
7年振りの映画出演となる樋口可南子と佐藤浩市が織りなす夫婦は、共演者にも理想の夫婦と言わせる。「撮影前に全く話し合いはしていない。世代的にも近く、共有する映画に対する意識も近いものがあり、現場で話をする必要がなかった」と佐藤が言えば、樋口も「話し合わないでできたのが珍しい。同じ時代を生きてきた匂いがする。自然と音合わせのようなものができた。お互い目指すもの、この夫婦をこうしたいという思いが暗黙のうちにあり、お互い思い合う気持ちが大事というのが共通していた。あうんの呼吸が自然とできる方」と佐藤を絶賛した。
“手紙”がキーワードの映画にちなみ、今まで送った、受け取った“手紙”で心に残っているものを質問された登壇者たちはそれぞれに思い出の手紙を語った。北川と吉田はともに母からもらった手紙をあげた。北川は「今日の完成披露試写会に母親が来ている」と明かし「10年ほど前の10代、上京間もない頃、仕事も上手くいかず仕送りをもらい迷惑しかかけていなかった時に“若くして自分のやりたいことを進むべき道を見つけてそれに向かって毎日一人で頑張っているあなたのことを誇りに思います”」と母から突然もらった手紙を学校でも仕事でもうまくいかない時、辛い時は何度も何度も読み返したと明かした。「子供にとって母は絶対の存在。今でも大切にとってある」と母からもらった手紙にどれだけ助けられてきたのか、そんな思いを客席にいる母へ“ありがとう”と感謝の意味を込めて語ったように聞こえた。
この言葉を聞いた北川の母はきっと嬉し涙を流したことだろう。入場時から何度も観客に向かって手を振っていたのは母に向けてだったのかもしれない。北川景子の親子愛を垣間見た瞬間だった。
夫婦愛、親子愛、そして血のつながりを超えた縁。北海道の四季とともに描く珠玉の愛の物語。次々と届く、亡き妻からの手紙。想いは積み重なり、やがて希望となる。
映画『愛を積むひと』は6月20日(土)全国ロードショー。
(TechinsightJapan編集部 うめ智子)