タイ南部のリゾート地として有名なサムイ島で、ショッピングモール駐車場に停めてあった車に仕掛けられた爆弾が爆発。来店客など少なくとも7名が負傷し、病院で手当てを受けている。
この画像は豪メディア『smh.com.au』が伝えているその記事のスクリーンショット。タイは今、新年の「ソンクラーン」を祝う時期にあり、人気のリゾート地として世界から人々がやってくるスラートターニー県のサムイ島も多くの客でにぎわっていた。そのような中で現地の10日午後11時30分ごろ、「セントラル・フェスティバル」というショッピングモールの地下駐車場に停められていた車(Honda製)の中で爆弾が爆発。付近の車やバイクを破壊したほか、爆風で店舗のガラスなどが吹き飛んだ。その夜はこのショッピングモールでファッションショーが行われ、訪れた客も多かったという。
また同県で、ほぼ同時刻に食品倉庫が爆破されるという事件も起きており、サムイ島防犯・防災センターのPoonsak Sophonpathumrak氏は、「車はタイ南部の州から盗まれた盗難車であることが分かっています。マレーシアとの国境地帯にあるタイ南部では武装勢力による散発的なテロ活動が発生しており、ここ10年で6000人もの市民が犠牲になりました」と語り、このたびの事件についても犯行声明が出されるものと見ているようだ。
タイでは今月1日、タイ反政府デモにおいて昨年5月に発出された戒厳令を解除する旨が関係各方面に伝えられていたが、国家平和秩序評議会(NCPO)はこれと並行して暫定憲法第44条を発出。治安維持のためとしてメディアに対する検閲体制が強まり、言論や集会の自由を奪うものであることから国民の反発は必至とみられていた。昨年5月、戒厳令を敷いたプラユット・チャンオチャ氏(当時は陸軍司令官)が、クーデターを経て首相およびNCPOの議長に就任していたが、同氏の独裁者ぶりに市民からは「民主平和主義、公平な選挙など実現はほど遠い」といった声が聞かれている。
※ 画像はsmh.com.auのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)