イギリスの人気観光スポットのひとつとなっている、環状列石遺跡「ストーンヘンジ」。いまだに解明されていない謎が多かったこのストーンヘンジに、新たな説が加わって専門家の注目を集めている。
イギリスを旅行する人々の多くが見学したがるウィルトシャー州ソールズベリー郊外の環状列石遺跡「ストーンヘンジ」。紀元前2500年~2000年の間に立てられたのではないかとみられているが、何のために作られたのかはいまだに謎のままであった。
そんな中で浮上した新たな説とは、“ストーンヘンジが竹馬愛好家たちのメッカだった”というもの。有名ギャラリーや美術館の館長を多々歴任し、このたび『Realisation – from Seeing to Understanding:The Origins of Art』という著書を出版するジュリアン・スポルディング氏は英紙「ガーディアン」とのインタビューで、“がっかりする人もいるかとは思うが”と前置きし、ストーンヘンジは木製のプラットホームを支えるための基礎で、そこは竹馬愛好家のメッカあった可能性が高いとの持論を展開した。
近年ますます盛んになっているストーンヘンジとその周辺の調査。最新テクノロジーによる広範囲な地質調査では、ストーンヘンジの周りにも礼拝に関わったとみられる多数の遺跡が眠っていることが判明した。中でも“Cursus(ラテン語でいう競馬)”は巨大な円形の溝状でトラックがあったことを想像させるもの。そして“Durrington Walls”には巨石のほかに木材が多数埋もれているという。
「使用されているブルーストーンという石にはヒーリングのパワーがある。そこは癒しのスポットだった」、「礼拝堂だった」という説が有力視されていたが、今回加わった「竹馬競技場」説はそれらと180度異なるものである。また2013年には、ストーンヘンジに関する地質調査が90年にわたり見当違いの場所で行われてきたとの事実が判明して考古学者らを落胆させていた。スポルディング氏も「特に20世紀に打ち立てられた説はことごとく覆されるでしょう」としている。真相解明はまだまだ先になるようだ。
※ 画像はtheguardian.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)