武田鉄矢がバラエティ番組『ワイドナショー』で、19歳の女子大生が女性を殺害した事件など未成年者による殺人事件について“エロスの目覚め”が遅いことが原因だと持論を語った。タレントのYOUは母親として「むしろ、私が息子の部屋にAVを置くべきか?」とおおいに共感したようだ。
2月1日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、19歳の女子大生が77歳の女性を斧で殺害した疑いで逮捕された事件を取り上げた。
ゲスト出演したタレント・YOUは19歳の女子大生について「高校時代、友人に毒を盛った」との報道もあることから、「病気としか思えない」、「親として、その子の親と話したい。どこかで何かサインがなかったか?」と意見を述べている。また、ゲストの武田鉄矢は、『よいこは“殺す”という言葉を使いません』といった関係の中で、逆に“殺す”という言葉がその子を支配したのではないかと持論を語った。
武田鉄矢は1997年に起きた、当時14歳の中学生による神戸連続児童殺傷事件(別名、酒鬼薔薇事件)について詳しく調べたという。彼はそのことで犯人の少年、酒鬼薔薇は「性的な目覚めが凄く遅い、“エロス”の登場が凄く遅い」ことが分かり、「エロスとの遭遇が遅い子はタナトス(ギリシャ神話の死の神)に魅かれる」と分析する。
さらに「猥雑の中で少年は学ぶのであり、清潔の中で少年は成長できない。泥の田んぼで稲が育つように、泥でないと根が張れない」と少年の心理をたとえ、「酒鬼薔薇はわさび菜のように清流で育った」ことからエロスとの遭遇がなくタナトスに魅かれたという。思春期において先にエロスを知ればタナトスを恐れるようになるが、タナトスに先に魅了されると「死の方に寄っていく」のだ。
YOUは17歳の子どもがいるだけに武田の説を熱心に聞いていた。彼女は「じゃあ、息子の部屋にはAVであるとか、私がむしろ置くべきですよね!」と心を動かされたようだ。武田は「男の子で女性の肉体に興味を持つとか、アイドルを追っかけてまわるとしたら、お母さん方は安心していい」と分かりやすく説明している。
彼は19歳の女子大生についてもその説を当てはめて、「憧れの男性と出会えず、勉強に打ち込んで成績は優秀だったかもしれないが、エロスとの遭遇がなくタナトスに魅かれたのではないか」と推測した。
コメンテーターの松本人志は「凄い見解ですね」と武田に感心しながらも、今の社会において「大量生産すると何個か異物混入みたいになるのでは?」と指摘する。武田は「そうです! それを込みでの社会だよ」と認めて「異物の気持ちを分かるやつが何人かいれば、異物でなくなる」と補足した。“異物”が成功者となることもあるのだ。
逮捕された女子大生がこれからショッキングなことを証言するかもしれないという武田鉄矢。「19歳の言うことにたじろがない。“怖い世の中になった”と怯えるのは止めよう。たじろがないのが大人の作法だ」と主張した。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)