数年前からバラエティ番組のゲストとして引っ張りだこになり、昨年は複数の番組でMCを務めるまでになった俳優の坂上忍。この勢いは2015年も止まりそうにないが、一方で、“理不尽なことには黙っていられない”という元来の性分が仕事現場で摩擦を生んでいるようだ。
坂上忍がバラエティ番組でブレイクしたのは、過度な“毒舌”“潔癖症”という強烈キャラだけが理由ではないだろう。彼は番組のテーマや共演者の顔ぶれから、スタッフが自分に何を求め、どんな役割を演じなければならないのかを的確に判断し、持ち前の演技力で番組を盛り上げることができる。時には「下手したら(自分は)テレビ出られなくなる」と感じる要求であっても、番組のためにと受け入れてきたことを、以前に坂上は話している。
そんな坂上が怒るのは余程のことであり、仕事現場であろうが、その場で相手に噛み付いてしまうらしい。1月4日放送の『ボクらの時代~笑って許して!新春スペシャル~』(フジテレビ系)でも最近起こった、坂上が“言わずにいられなかった、許し難い”出来事を話し始めた。
ある番組で、坂上の愛犬による体験コーナーがあった。波の立つ大きな水槽のような装置で、犬を泳がせるという運動だった。安全のため首輪を装着しリードは専門家が握り、波に向かって坂上の愛犬を泳がせていた。しかし動いているうちに犬から首輪が外れたのだが、番組スタッフは「あ、だったら首輪無しで良いんじゃない?」と軽くあしらったらしい。その言葉に“ブチッ”とキレたという坂上は、捲し立てるように猛抗議したようだ。目の前で必死に泳いでいる生き物に対して、テレビ的に良い映像が撮れるからと専門家の指導を無視しての無責任な発言である―と、彼はどうしても許せなかった。
“自分は間違っていない”と思っていても、「正しければ良いのか」という葛藤がいつも坂上にはあるらしい。バラエティ番組のMCまで務めるようになった今、“言いたいことを言って、(芸能界から)干されるなら構わない”という覚悟だけで突き進んでいくのはいかがなものかと悩み続けているが、なかなか答えを出せないでいるようだ。
(TechinsightJapan編集部 みやび)