「動物園で飼育されている動物は人間と同じように大切」。そんな言葉とともに、このほど高齢のペンギンに対する眼病の手術が行われた。世界でも類を見ないとして注目を集めている。
高齢者を苦しめる眼病のひとつに、視界が曇って見えづらくなる「白内障」がある。犬猫にもそれが起きるように、ほかの多くの動物が老いとともに白内障を患っている可能性は高い。そんな中で18日、米ミシガン州ロイヤルオークにある「デトロイト動物園」では、イワトビペンギンの“バグズ”、マカロニペンギンの“ニードルズ”に対して白内障治療の手術が行われたという。
デトロイトのラジオ局『WWJ Newsradio 950』が伝えているところによれば、執刀したのはペットや動物の救急医療行為に長く関わってきた『BluePearl Veterinary Partners』の、同州サウスフィールド支部から派遣されたグウェン・シーラさんという獣医。その2羽は飼育員がエサとなる魚を投げても目で追わなくなり、そちらに向かって泳ぐ様子もないことから目が悪いのではないかとの報告があったそうだ。「白内障の手術は無事終了しました。ペンギンたちも今後は視界が良好となり、活発さをとり戻すでしょう」と話している。
ちなみにそのペンギンたちはメスで26歳と30歳。ペンギンの寿命は長くとも25年などと言われており、かなりのご長寿と言えそうだ。切開した傷口の保護と観察の必要があり、他のペンギンたちと交われるのは数週間先になるという。なお日照不足と悪天候が続くとペンギンは「うつ」を発症することが分かっている。今年2月には、英ノース・ヨークシャーのスカーブラにある水族館でペンギンにヒト同様の抗うつ剤が投与されて話題になった。
※ 画像はdetroit.cbslocal.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)