客と店員を結ぶ“オーダー”という本当に短いコミュニケーション。その中で自然と礼儀が身につくとして、オーストラリアのあるカフェが話題を呼んでいる。“please”やあいさつの言葉を添えると、ある特典が待っているのだ。
豪ニューサウスウェールズ州セブン・マイル・ビーチのゲロアにある、「KIOSK」という名のカフェ。そこは美味しいコーヒーを提供すると評判だが、それだけではない。若い人たちに礼儀の大切さを教えたいとするオーナー夫婦の、熱い意気込みも話題となっているようだ。
「A coffee.」
これでも確かにコーヒーは出てくる。その場合の価格は5ドルだそうだ。だが店先の立て看板には、「A coffee, please.」とお願いすれば4.5ドルでOK、さらに「Good morning, a coffee please.」など、朝昼晩のあいさつが添えられれば4.0ドルでコーヒーが飲めると書かれてある。
このカフェのオーナーであるケヴ・チルヴァーさんと妻のカイリー・ピケットさんは、『dailymail.co.uk』の取材に「従業員がよその店でそんなやり取りをしている光景に出合い、ウチでもやってみようということになりました。この試みを始めて2か月ですが、今のところ評判は上々です」と話す。
巷に氾濫するファストフード店の影響もあり、店員と客の注文風景というのはどんどん無味乾燥なものとなっている。そのせいか店員にぞんざいな態度をとる客もたまに見受けられるといい、ケヴさんは「サービス業とはいえ私たちも人間ですから、お客さんの礼儀正しい言葉はやはり嬉しいのです」と語っている。
客にシツケを押し付けているといった印象をも与えかねないが、その点についてケヴさんは、「“please”や“thank you”は人生のあらゆるシーンで役立ち、人の敬意を集めるとても大切な言葉ですから、若い人たちにはしっかりと身につけて欲しいです」と真剣に訴えかけた。
※ 画像はdailymail.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)