映画『紙の月』で主人公を演じる宮沢りえが、共演した大島優子の現場での能力を高く評価。「やっぱりセンターにいた人は違う」と感心した。一方の大島も、女優の大先輩となる宮沢と絡むシーンでは「飲み込まれそう」だったと心境を明かしている。
映画『紙の月』がロードショー公開された11月15日、『王様のブランチ』(TBS系)に本作のメインキャストとなる宮沢りえ、池松壮亮、大島優子の3人が生出演して撮影時の裏話を語った。
夫と2人で暮らしながら銀行の契約社員として働く主人公・梅澤梨花を演じる宮沢りえは、映画での主演は7年ぶりとなる。それだけに全力で打ち込んだという彼女は、走るシーンを撮るのに3日間を要し「120%の走りで、肉離れをしながら」演じ切った。普段から走るのが好きな宮沢だが、吉田大八監督は「カッコよく走らないでくれ。主婦らしい歪んだ走りが欲しい」と望むのでさらに苦労したらしい。
それほど気合の入った梅澤梨花役の宮沢に同じ銀行の窓口係、相川恵子役として絡むのが大島優子だ。信頼の厚い外回りの契約社員、梅澤梨花が年下の大学生・平林光太(池松壮亮)と出会ったことで顧客の預金に手をつけてしまう。禁断の行為に踏み出す梨花の背中を押すのが、相川恵子(大島優子)だった。
ロッカールームで梨花と恵子が会話するシーンは言いようのない迫力がある。大島はその撮影を振り返って、「宮沢さんとの距離があまりに近いので、“宮沢りえ”だと思うと飲み込まれそうだった。なるべくそう考えずに飲み込まれないようにしていた」と苦労を語る。
一方の宮沢りえはそんな大島について「全然ですよ、堂々として」と感心しており、「監督の指示もちゃんと咀嚼して表現する瞬発力が凄い! やっぱり、センターにいた人は違うなって思った」と称賛して隣に座る大島優子を照れさせた。
『桐島、部活やめるってよ』などで知られる吉田監督は妥協を許さず、撮影も大変だったようだ。なかでも、宮沢は地下鉄の駅で電車が動き出した時に梨花が振り向き、風で髪がなびくシーンを振り返った。「電車と風と振り向くという3つが合わないといけないので、20テイクくらいやりました」という。終電後から始発前までの時間で電車を何度も戻して撮り直したと思うと気が遠くなる。
話題が尽きない女性2人に対して池松壮亮は言葉少なで寡黙なイメージだったが、ホテルの豪華なスイートルームで梨花と光太が戯れるシーンが話題になると「行ったことがないのでテンション上がりましたね」と笑顔を見せた。
今回のように3人がテレビ番組に出演する際などには「大島さんに任せています」と宮沢りえ。冒頭でもVTR紹介の際に「元気に行きましょう」と大島優子が音頭を取っていた。AKB48時代にリーダー的役割だった彼女だけに、何かと頼りにされるようだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)