大ブレーク中の女性お笑いコンビ「日本エレキテル連合」。白塗り未亡人の朱美ちゃんを演じる橋本小雪は、メイクを落とすと色白で目が大きく男性ウケする雰囲気がある。相方のひげ面中年男の細貝さんこと中野聡子はそんな橋本に嫌悪感を抱いていた頃があったようだ。
日本エレキテル連合はネタを作り、キャラクター設定から衣装、メイクそして小道具に至るまで、全て中野聡子が担当する。一方の橋本小雪は仕事に関するマネージャーとの連絡窓口となり、相方と同居生活を送る上で家事の一切は彼女が担当。中野の心身のケアと健康管理にも気を配る毎日だ。
11月6日放送の『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)では、日本エレキテル連合のブレイクまでの軌跡を紹介。橋本が大学時代から出演していたKBS京都テレビの『Go on』でメインMCを務めていた俳優の西村和彦が、コンビ結成に関する知られざるエピソードを明かした。
橋本は学生時代から“お笑い芸人”を目指しコンビを組んで、M-1グランプリにも挑戦したことがあるらしい。大阪のお笑い養成所(松竹芸能)時代では中野と同期だが、当時はお互いピンで活動していた。この頃、西村は何度も橋本から“ぜひライブを見に来て下さい”と懇願され、会場に足を運んだことがあった。
だが橋本のネタは全く面白くなく、“これはアカン!”と西村は感じたという。同じ舞台で見た中野のネタが大層ウケていたので、彼女と比べるとなおさら橋本のつまらなさが際立っていたのだ。そこで西村はライブの後に電話で「あの子には絶対に勝てない」からと中野と一緒に舞台に立つのをやめるように助言した。中野とあまりにも差があった橋本を哀れんでの言葉だったらしい。
しばらくして西村は、耳を疑うような報告を橋本から受ける。「(中野と)コンビ組みましたぁ」と電話口の彼女は明るい口調だった。“お笑い芸人として生きて行くためには中野にお願いするしか無い”と勝手に思い込み、必死な思いで自分とコンビを組んでもらえるよう頼んだのだ。だが人見知りが激しくこれまで人付き合いで苦労していた中野は、コンビを組むことを容易く承諾しなかったという。
またお笑い養成所で同期だった橋本を、彼女は厳しい目で見ていた。外見が長身で可愛らしい顔立ちだった橋本を、“タレントにもアイドルにもなれず、妥協してお笑い芸人を目指している女”と軽蔑していたからだ。「こういうヤツがいるから女芸人が舐められる」と思っていたと話す。断っても断ってもコンビを組むことを諦めない橋本に、「何でもするなら組んであげるよ」と中野が条件を提示し、彼女はそれを受け入れたのだ。
今でも“笑いに関してはポンコツ”だと、中野から呆れられる橋本。だがコンビを組んでもすぐには売れずどんなに極貧生活が続いても、中野の才能を信じ必死で彼女は付いていった。また天然で純粋な橋本だけが中野ワールドを忠実に再現できる“最高の理解者”であると思える。「相方に何かあったら大変なんです」と心配そうに語る橋本だが、中野が橋本に抱いている思いも同じ筈である。
(TechinsightJapan編集部 みやび)