性的なシチュエーションではないところでも、1日に何度も繰り返してしまう性的興奮状態。そんな病気を持つ米男性が、「早く治療法を見つけて欲しい。人生もうヘトヘトです」と苦悩を告白して波紋を広げている。これまでこの病にかかる患者は女性のみと思われてきたのだ。
日々のあらゆるシーンの中でいきなり性的興奮とオーガズムが生じ、それが繰り返し、あるいは持続してしまうために日常生活がままならなくなってしまう「持続性性喚起症候群(Persistent Genital Arousal Syndrome)」という病気があることをご存じであろうか。これまでは女性にのみ発症するといわれてきたが、どうやら男性にも起こり得るものらしい。
米ウィスコンシン州トゥーリバーズに暮らすデール・デッカーさん(37)は妻の理解を得ながら日々を送っているが、友人はなく自宅に引きこもりがちである。自分と同じような経験をしている人がほかにもいるかもしれないとして、このほどメディア露出を決断したそうだ。
英メディア『dailymail.co.uk』が伝えているところによれば、「父親の葬儀の最中に9回も勃起してしまった。日常の買い物や公共の場でも、必要もないのにそうなってしまう。毎日100回ものオーガズムに襲われるこの病気のせいで、心身はもうボロボロ。できればオーガズムを普通の人たちのように“快楽”として経験したい」とデールさん。勃起を伴うだけに、男性でこの病気があることを告白するのは大変恥ずかしいと話す。
デールさんは今、仕事もままならず妻のエイプリルさん(33)に養ってもらっている。2人の間にはクリスチャン君(12)、タイテン君(11)という幼い息子がおり、彼らに病状をどう説明したらよいかと悩みは尽きない。また夜は、妻に迷惑をかけまいとベッドを別にして寝るようになったデールさんに、エイプリルさんは「フラストレーションがたまってしまいます。健康的で素晴らしい男性、父親だった昔のデールに戻ってほしい。いつかきっと医学がこの病気を治してくれると信じたいと思います」と寂しそうに口にした。
ニューヨークのディーナ・ハリス博士は数少ないこの病気の権威だが、これまで女性ばかりを診て来た。誰にも理解されない苦悩と絶望感から自殺してしまう患者もいるとして、博士はデールさんの苦悩をも深く心配する。またロンドンの権威であるデヴィッド・ゴールドメイアー博士は、根本的な治療法はないため、瞑想と鎮痛薬、骨盤エクササイズなどで症状を緩和するしかないと説明する。2012年9月、椅子から立ち上がった瞬間にぎっくり腰を起こし、椎間板ヘルニアを患ったところでこの病を発症したデールさん。骨盤神経の外傷が生殖器の過敏反応につながった可能性があると説明されたという。
※ 画像はmirror.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)