中国で今、13歳の少女2人を結ぶ美しい友情の話題が人々の胸を熱くさせている。9歳でポリオにかかり手脚に麻痺が残ってしまった少女を、その親友は「決して見放すことなどできなかった」と話す。
この写真のグリーンの服を着た女の子は中国・湖南省に暮らす13歳のHe Qin-jiaoちゃん、そしてピンク色の服の女の子はHe Ying-huiちゃん。2人は幼い頃からの大親友であったが、今も互いのそばを片時も離れない。Qin-jiaoちゃんがYing-huiちゃんの車いすを押し、時に抱きあげ、時に背負うからである。
Ying-huiちゃんが「ポリオ(急性灰白髄炎)」にかかったのは9歳の時。それにより身体に麻痺が生じてしまった彼女は、往復6キロちょっとという学校への道のりを昨年9月までの3年間、毎日Qin-jiaoちゃんに背負われて通ったそうだ。一人っ子同士、我が強くすぐに衝突するなどと言われてしまっている今の中国の若い世代も、この話には強く共感するものがあるのだろう。インターネットを通じ、大変な勢いで広まっているもようだ。
毎朝6時に起きることも、学校との往復でヘトヘトになることも厭わないQin-jiaoちゃん。メディアの取材には、笑顔で「だってYing-huiがいないと、学校なんてつまらない。放課後ずっと一緒に話をしていられるの。それが楽しくて」と語る。またYing-huiちゃんは、学校の作文の授業で“人生で最も大切な人”という課題が出された際、そこにもちろんQin-jiaoちゃんの名を記し、「もしも彼女がいなかったら、私はこうして学校には来ていなかったでしょう」と感謝の気持ちを綴っている。だがその学校もついに卒業。Qin-jiaoちゃんはこの後もYing-huiちゃんの登下校の世話を望んでいるが、どうやら家庭の経済的事情ゆえに進学は難しい様子だ。ネット上では「中国の資産家たちはこんな時にこそ温かい支援を」との声が高まっている。
ポリオに感染するのは、ほとんどが幼い子らである。急な高熱ともにウイルスが腸管から脊髄の一部に侵入して手や足を麻痺させるため、子供が突然手足を動かさなくなり、そこでポリオ感染と判明することもある。また感染後も無症状である子(不顕性感染)の便や唾液を通じて、ほかの子にウイルスを拡散させることがある。ただし日本では経口生ワクチンを経て2012年9月より不活化ポリオワクチンが導入され、以前ほど怖がらなくてよい病気となっている。
※ 画像はmerdeka.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)