アジア発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【アジア発!Breaking News】コンタクトレンズを正しく清潔に使用しなかった台湾の23歳女性、失明の危機に!

台湾の女子大生が使い捨てコンタクトレンズを長期にわたり使い続けた結果、失明寸前であるというニュースが若者を中心に世界的な広まりをみせている。コンタクトレンズのせいで目に不調を感じ、眼科の診察を受けた経験は使用者ならばあるのではないだろうか。正しく清潔に使用することの大切さを改めて学んでみたい。

使い捨てコンタクトレンズは必ず捨て、1日の装用時間の限度を守り、レンズケース、洗浄液のボトル、そして手指を常に清潔に保ち、眼科の定期健診を欠かさない。「忙しい」が口癖になっている現代人は、果たしてこれらをきちんと守っているであろうか。ひどく充血して痛むなど、不調に耐えきれなくなった時だけ眼科医のもとを訪れている、そんな人はどうか十分に気をつけて頂きたい。

今、世界中のメディアがこぞって紹介しているのが、台湾・台北のリアン・カオさん(23)という女子大生の瞳を襲った「アカントアメーバ角膜炎」という病気。スイミング・プールに入る時にもコンタクトレンズを着用していたといい、たった1つのアメーバが角膜(レンズをかぶせる部分)に棲みついてしまったために、失明の危機にあるというのだ。カオさんは今、「アドバイス通り着用は1日8時間以内ということを守るべきだった」とひどく後悔している。

英メディア『dailymail.co.uk』が伝えているところによれば、カオさんを診察したのは「Wan Fang病院」眼科部長のWu Jian-liang医師。「この角膜炎で落ちた視力を取り戻すことは不可能です。酸素が不足し、角膜細胞は常に小さな傷や細菌感染の恐れがあるため、コンタクトレンズ愛用者は圧倒的にハイリスクグループですね。彼女の角膜は、使い捨てのレンズを半年間も不正に使用したことで、この季節に多いアカントアメーバにやられました」と話している。梅雨時から夏にかけ、洗面所を不潔にしていて洗浄液のボトルは大容量、おまけにキャップは開けっぱなしという人は、悪さをする微生物や細菌がボトルに付着していることがあるというから恐ろしい。

このあたり、日本の現状はどうなのだろうか。「日本眼科学会」のウェブサイト(nichigan.or.jp/index.jsp)によれば、近年は中高生の愛用者が増えていることが特徴だが、長期に装用してきた人も含めて10人に1人かそれ以上が眼障害を訴え、使用の中止を勧告される患者も急増しているもよう。一例として、21歳の女性がソフトの装用で角膜炎を起こして受診し、中止するようにとの医師の勧告を無視していたところ角膜潰瘍を発症。視力が0.04に落ちたことが紹介されている。一方でハードの場合は異物や痛みをダイレクトに感じるため、すぐに使用をやめ眼科を訪れることから重症化を防げると指摘する。

ちなみに眼障害発症率がもっとも低いのは「1日使い捨てソフト」だそうだ。そして気になる発症率のワースト3は、高い順に「1週間連続装用使い捨てソフト」、「従来型ソフト」、「2週間交換ソフト」。コンタクトレンズ愛用者に起こりがちないくつかの眼障害を、同ウェブサイトではこのように紹介している。

■巨大乳頭結膜炎
ソフトコンタクトレンズ装用者に多い目のかゆみや目やに。上瞼の裏側を手でひっくり返してみると、そこに細かくて赤いブツブツが出来ていることが確認できる。

■角膜潰瘍
ソフトコンタクトレンズを長時間装用している人に多く、角膜が深い傷を負った状態で重篤。痛み、充血、視力の低下が特徴で、洗面所が不潔なためレンズケースやボトルに細菌が繁殖していた場合では感染性角膜潰瘍となり失明することもある。

■角膜内皮細胞障害
酸素を通さないハードやソフトの愛用者に多く、装用時間が非常に長い、強度の近視でレンズが厚い場合は要注意。酸素不足により角膜の透明性が徐々に失われ、失明する危険性がある。自覚症状はまったくない。

■点状表層角膜症
ハードでもソフトでも発生し、眼障害の中では最も多い。自覚症状は殆どないが、再発を繰り返すと角膜上皮びらん、角膜浸潤、角膜潰瘍へと重症化が進む。

また、社会人では朝の出勤前にコンタクトレンズを装着して夜(遅く)自宅に戻ってからはずす、12時間以上の連続装用は普通だという人が非常に多い。しかしそれは完全なる酸素不足で、酸素を求める角膜には気づかないうちに血管新生という現象が起こり、角膜が濁って視力がひどく低下することがあるそうだ。ソフトは着け心地がラクとはよく聞くが、恐ろしい角膜血管新生はソフト愛用者、特に「ドライアイだからソフトにした」などという人がダメージを強く受けることが多い。いずれにせよ不調を感じた時はすぐにレンズをはずす。そのためにもメガネを持っておくことは非常に大切だそうだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)