「これは私なりの男のロマン」と言い、徹底して1940年代のスタイルを自分の暮らしの中に取り入れている男性が英ノッティンガムにいた。訪問客は「なんという温かみでしょう」と驚き、感動するという。
日本にとっての「大正ロマン」と同じように、欧米人にとって大変な魅力を放っているのが“1940年代スタイル”。コンクリートとプラスチックのモノばかりが増えた今、その時代の産物が醸す木、鋳物、ブリキ、真鍮の懐かしい感触、香り、色合いは何ともいえない温かみがある。日本でも古民家が買い取られて街中のカフェとしてよみがえるなど、世の中が便利になればなるほどレトロブームも高まっていると言えそうだ。
こちらの男性は英ノッティンガム在住のベン・サンサムさん(35)。ハイテク家電やパソコンは苦手、電子レンジや食器洗い機は必要ないし、TwitterもiPhoneも興味がないという。ヴィクトリア朝時代の1890年代に建てられた家を数年前に購入し、彼は調理器具、食器、家電、家具や雑貨、ピアノほか身の回りのものをすべて1940年代以前に製造されたもので固めた(画像はdailymail.co.ukのスクリーンショット)。修理の腕もなかなかのもので、旧式の電話機も受話器としてちゃんと使用されている。12歳の時におじさんが古いラジオをくれたことがきっかけで、その時代に強く惹かれ、こだわるようになったベンさん。音楽やファッションも彼はどんどんその時代に傾倒し、コレクションの多くは親類が譲ってくれたそうだ。
ベンさんはかつて航空会社「ブリティッシュ・エアウェイズ」の客室乗務員として働いていた。世界各地に飛び最新式のホテルに滞在する暮らしをしていた頃を思い出し、「やっとリラックスできる空間を見つけた気分だよ」と話す。残念ながらガールフレンドとはデートのみで、この家で同棲することはないそうだ。「女の子は皆、近代的で便利なものを求めるから難しいね」と苦笑するベンさんであった。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)