どうしてもパイロットになってみたかった。部屋の壁にコックピットのポスターを貼り、果たせなかった夢に思いを馳せる男性は意外にも多いのであろう。イギリスでは、大枚を叩いて自宅にフライトシミュレータのレプリカを設置した男性の、あまりの本気度が話題になっている。
この画像は英メディア『mirror.co.uk』が伝えているその記事のスクリーンショット。英ケンブリッジシャー・ピーターバラ在住で、警備員をしているリチャード・ハッチンソンさん(58)である。彼はイギリス空軍にいた父親の影響で飛行機愛好家のサークルに入っていたが、6年近く前から空いている寝室を利用してボーイング737-800の“操縦”に夢中になっている。
もちろんレプリカではあるが、リチャードさんがこのコックピットを手に入れるためにかけた費用はざっと170万円。妻の「こんなモノの一体何がそんなに楽しいのかしら」との呆れ顔をよそに、「世界中から集めたソフトウェアを駆使しているし、各種スイッチ、ライトを含め作業の99%が本物と変わらないよ」と実に満足気だ。気象、不具合、故障などをリアルに知らせてくれる本格的な計器で、離陸と着陸の空港を選び、風速、風向き、天候など気象条件を自分で設定し、朝日や星空の中を飛ぶなどあらゆるパターンで望み通りのフライトを楽しんでいる。
「これまでボーイングの飛行機なんて操縦したこともないよ。でも今は違う。もしも僕が737型機に乗って万が一の事態に迫られたら、その時は僕の出番だ。無事に着陸させられるような気がする」とすっかりその気になっているリチャードさん。「慢心することはないね。操縦は学びの連続。これを手に入れてからも日々新しいことを覚えようと必死だよ」と心がけも実に本気である。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)