人気声優の金田朋子が、バラエティ番組で声優の報酬について語った。声優を始めて3年間は1本あたりの金額が決められるなど、業界でのルールがあるという。彼女はすでに3年を経てランクが上がっているので、当時の「倍ぐらい」は貰っていると明かした。
金田朋子は2000年に声優デビューして、数々の作品に出演している。その独特な声を活かして2002年放送のアニメ『あずまんが大王』の美浜ちよ役や、2007年にNHK『みんなのうた』で大ヒットして2012年には『アニメ おしりかじり虫』(NHK BSプレミアム)となった“おしりかじり虫18世”の声も務めている。
7月21日放送の『ジャネーノ!?』(フジテレビ系)に出演した彼女は、声優界のギャラについて「最初の3年間はみんな同じ金額」だと明かした。声優は基本として日本俳優連合という協同組合に加入するが、そこで声優は年数やランクでギャラが決められるのだ。
金田によると「組合に入って3年間はジュニアというランクで、一律『いちご』といって1万5千円」が1本の作品のギャラとなる。ただし、「ひと言『あっ!』と発するだけでも、100言のセリフをしゃべっても金額は同じ」という。彼女がアニメ『トリコ』でウォールペンギンの子供・ユン役を担当した時は「ユンッ、ユンッ」というセリフだけの場合もあったが、それだけでも他の声優と同じく1本分のギャラとなる。
MCの後藤輝基(フットボールアワー)から「それで1万5千円を貰えたのか?」と追及された金田朋子は、その時には「ジュニアは終わってランクが上がっていたので。ちょっと、倍ぐらいですかね」と答えた。金額は口にしなかったが、約3万円と考えられる。
この日、共演していたタレントの清水アキラは、ものまねタレントとして活躍した時代には1ステージで公演料500万円だったという。また、テレビ番組で活躍するバナナマンの設楽統の年収が「億超え」ではないかと報じられていることからすれば、声優のギャラがそこに迫れるとは思い難い。
25年以上前の1988年のこと。まだお元気だった声優の永井一郎さんによる『磯野波平ただいま年収164万円』と題したレポートが、文芸誌に取り上げられて話題となった。そこには永井さんが“闘争”と“交渉”によって、出演料など声優のギャラが多少なりとも改善される経緯が書かれている。それでも当時の永井さんの手取り収入は305万円強だった。
永井さんはその実態をレポートに表すことで、さらなる改善を訴えたかったのだろう。惜しまれながら今年の1月27日に82歳であの世に旅立った。レポートの内容からしても、金田朋子が明かした1本あたり約3万円という現在のギャラは永井さんが望んだところに達してはいないようだ。
ちなみに彼女は『金田朋子オフィシャルブログ「カネトモ地獄。早起きは三文の毒!!」』で、今回の番組出演について「声優代表で出演させていただき、がんばってきましたー!」「私はちゃんと説明出来たかはわかりませんが(苦笑)楽しかったのはたしかです!(笑)」と伝えている。
※画像は、『金田朋子オフィシャルブログ』のスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)