時差の関係で、日本では深夜から明け方にかけて試合が行われているFIFAワールドカップ・ブラジル大会。ファンは極端な睡眠不足と闘いながら生中継の試合を観戦してしまうが、それは体にいいことではない。お隣の中国では3人の死者が出ているもようだ。
その大興奮の瞬間を生中継で見たい、ファンなら必ずそう思うのがスポーツ。サッカー熱が大変なものであることは中国も同じで、どのファンも睡眠時間を削ってテレビやパソコンの前から動かなくなってしまう。そんな中で恐るべき事態が中国各地で次々と起きていたようだ。遼寧省では、スペイン代表が初戦でオランダに敗北したあの試合を観戦していた51歳のLi Mingqiangさんという男性が、心臓発作により病院に搬送される途中で帰らぬ人となった。
続いてその数時間後である14日朝、25歳の男性が江蘇省蘇州市の自宅アパートで心肺停止の状態で発見されている。Mingqiangさんと同じ試合をコンピュータで観戦していたことが分かり、死亡の原因はやはり心臓発作であったとみられている。また15日には上海で、39歳のZhouさんという男性が3日にわたり一睡もせずテレビでワールドカップを観戦していた結果、脳出血を起こして死亡した。
睡眠不足からくる心身の疲労、座りっぱなしの姿勢、熱狂や興奮がもたらす血圧の急変、そしてつい飲み過ぎてしまうアルコール。悪い連鎖が重なるその状況に、中国の医療専門家らは「ほどほどにして、とにかく寝なさい」と警鐘を鳴らす。たとえばブラジルと日本の時差は12~13時間。ワールドカップ開催の時期には毎回だが、特に地球を半周も離れた国々で観戦している人々が、健康でありながら極度の睡眠不足に激しい興奮が加わった瞬間に急死する、そんなニュースが相次いでしまうようだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)