9日、映画『渇き。』の完成披露試写会が都内劇場で行われ、主演の役所広司をはじめ豪華キャスト8名が集結した。同作の中島哲也監督は、首をなかなか縦に振らない厳しい監督とも聞くが、女性陣からの監督の印象はなんとも“かわいらしいもの”だったようだ。
映画『渇き。』は、『下妻物語』、『嫌われ松子の一生』、『告白』などで、唯一無二の独創的な作品で高い評価を受けている中島哲也監督の最新作だ。
映画出演は初めてだったにもかかわらず主要キャストに抜擢された小松菜奈は、そんな監督について「噂では怖いと聞いていたけど、緊張しないように気を遣っていただいた。優しい熊さんみたいな監督です」と印象を述べて観客の笑いを誘った。
その小松の中学時代の担任教師を演じる中谷美紀は、中島作品への出演は2006年公開の『嫌われ松子の一生』以来となる。前回の撮影では、中島監督に「女優を辞めろ!」と罵倒されて、ホステスに転職しようかと考えたという中谷。そのように叱咤した経緯があったからなのか、この舞台挨拶で中島監督は「(自分の)悪口を言わないように」と中谷に釘を刺しておいたそうだ。
小松の「優しい熊さん」という監督のイメージを受けて、中谷も「優しい熊さんのような方です」とにっこり笑顔を見せた。続けて小松の同級生役の橋本愛も「いつも熊のイメージがついています」と女性陣全員が中島監督を「熊」と表現した。
今回の撮影では前回のように中谷を罵倒したかどうかは分からないが、中谷にとって中島監督には“また撮ってもらいたい”と希望する魅力があるようだ。中谷は監督の魅力について「人間の本質に真摯に向き合って、映像としてエンタテインメントに消化される才能。たくさんのことを与えて引き出していただけるところ」と悪口を言うどころか称賛した。
一方、中島監督は、同作について「血だらけで目をつむりたくなるところは、目をつむってもらって、でも映画館を出ないでください。最後まで観るとメッセージが受け取れると思う」と試写会にやってきた多くの観客に語りかけていた。
舞台挨拶には他に清水尋也、國村隼、オダギリジョーも出席した。
『渇き。』は、6月27日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)