EU発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【EU発!Breaking News】身長218cmで難病の男、刑務所暮らしに適合せず出所。「裁判所はもっと勉強を」の声も。(英)

23歳の巨漢が、ある犯罪によりこのほど懲役刑を言い渡された。しかし刑務所の看守らはこの男をまったく歓迎せず、ラッキーにも早期出所となった。男にはクラインフェルター症候群という珍しい疾患が認められており、そもそも有罪判決を下す必要があったのかと物議を醸している。

男児の出生600~1000人につき1人の割合で誕生すると言われている、「クラインフェルター症候群」をご存知であろうか。通常「XY」であるべき男性の染色体に過剰なX染色体があることにより、高身長や女性化乳房、広汎性発達障害(自閉症)や性同一障害に苦しむ者が少なくない。英デボン州エクセター・クラウン裁判所はこのほど、ジュード・メドカーフというその病気を抱えた23歳の男に有罪判決を言い渡し、身柄を刑務所へと送った。

メドカーフはある時ひどく感情を高ぶらせ、見ず知らずの女性の車に向けてBB弾を発射して窓を割り、逮捕された。一緒にいたメドカーフのガールフレンドや車の中の女性も、抑えがきかないメドカーフの様子に本物の拳銃だと思い、怯えきっていたと検察側は主張。過去には「国民保健サービス」の事務所からお茶代とクリスマスプレゼントを盗んだ前科もあることから、このたび有罪判決が下った次第である。

しかしその体は身長218cmとあまりにも大きく、刑務所は裁判所に「このような巨漢を受け入れたことはありません。扉も天井もベッドも、そして受刑者服も彼の体には小さすぎます」と訴え、本来はまだ獄中生活が続くはずであったメドカーフは、今後6か月の外出禁止令と12か月にわたる地域奉仕活動への参加を条件に、75日目でラッキーにも出所を果たした。だが発達障害に関する専門家は、「体が類まれに大きいこともあり、患者は世間から誤解されている部分も多い。裁判所は世の中にはこうした疾患を抱える人がいることをもっと勉強し、むやみな有罪判決を避けるべきだ」と強く批判。同じ疾患に苦しんでいる家族を持つ人々の間からは、このニュースによりクラインフェルター症候群に対する世間の理解が少しでも深まれば、といった声も出ているようだ。

※ 画像はmirror.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)