あるガン撲滅研究団体のオンライン募金に協力したつもりの数千人もの人々が、まったく異なる団体から「募金ありがとうございます」との返信を受け取っていたことが分かり、波紋を広げている。なんと原因はスマホのオートコレクト機能にあったようだ。
多数のセレブが募金の広告塔となり支援している、イギリスの「英国ガン研究所(Cancer Research UK)」。連日のように研究に役立ててほしいと多くの人々から善意が寄せられているが、最近そこに募金したつもりの数千人の人々に、まったく異なる団体からお礼の返事が届いていることが判明。なんとスマホのオートコレクト機能が原因であったようだ。
英紙『デイリー・ミラー』電子版が伝えているところによると、“被害にあった”募金者はTwitterで現在大流行中のハッシュタグ「#nomakeupselfie」に自撮りスッピン写真を投稿していた女性たちばかり数千人。ここで「英国ガン研究所に寄付を!」という“Beat to Bear”なるチャリティキャンペーンが繰り広げられ、彼女たちはそれに協力した次第だが、その後になぜか「World Wildlife Fund」という有名な野生動物保護の慈善財団から感謝のメールが届いてしまった。しかも驚くことに、「これであなたもホッキョクグマの里親です」とあったという。
また同様の“誤った”寄付金がユニセフ宛にも多数届いたそうだ。金額は2万英ポンド近くにものぼり、ユニセフ英国支部長のマイク・フリン氏は「私たちはこの件において何の責任もありませんが、人々の善意を台無しにしないためにもお金はCancer Research UKに送ります」と述べている。原因はスマホの「オートコレクト機能(入力された文字を自動的に補正する)」。誰かひとりが誤った情報を伝え、フォロワーがそれに続いてしまうというSNSにはありがちな現象で、募金する者は内容が正しいか今一度確かるべきであった。もっとも寄付金が広くあらゆるところに行き渡ることは大切。「英国ガン研究所でなければイヤ」とこだわっている女性はいないのか、自分たちの失態を自嘲するものの、誰かの責任を追及するといったトラブルは発生していないもようだ。
※ 画像はcancerresearchuk.orgのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)