ヒップホップにレゲエやソウルのテイストを盛り込んで大人気となった元「フージーズ」のフロントマンで、敏腕音楽プロデューサーとしてアメリカで大成功を収めていた、ハイチ出身のワイクリフ・ジョン。彼が自己破産を申し立てた。
解散したものの大変な人気バンドであった「フージーズ」のフロントマンで、実力派アーティスト、音楽プロデューサーとして活躍してきたワイクリフ・ジョン(44)。少し前には、出身国であるハイチの大統領選に出馬するほどの勢いをみせていたジョンが、なんと破産してしまった。
2012年中盤から経済事情が悪化したとし、現在の税の滞納額は日本円にして3億円ほど。また借金返済を各方面から迫られており、いずれも金利がかさみ負債残高は増える一方。ジョンの会計士は返済の催促を受ける度に、“there ain’t no money.(金なんてねぇよ)”と素人のような文章でのメールをポンと返すだけであったという。しかしこのほど、ショービズ界に多数の顧客を持つニューヨークの弁護士事務所『Shukat Arrow Hafer Weber & Herbsman』が、102,027.40ドルの支払いを求める最終警告の文書を送りつけてきたところで、ジョンはついに自己破産の申し立てを決意したもようだ。
2010年1月に起きたハイチ大地震の復興支援活動においては、「Yéle Haiti Foundation」という財団を設立して、相当な尽力があったとも報じられていたジョン。しかしすべてが偽善だと叩かれるようになり、大統領の座を狙うも寄付金40万ドルの着服疑惑が浮上して断念。現地に長期間滞在したハリウッド俳優のショーン・ペンら複数の救援活動家、そして元「フージーズ」のメンバー、いずれも「あいつはダメ」と不信感をあらわにしていた。この自己破産宣言のニュースに、ハイチでの彼を知っている人々が「あの大地震で募ったお金はどこへ?」と話を蒸し返す可能性は非常に高そうだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)