ドラマ『宮本武蔵』が2夜連続で放送された。ネットでも視聴者から様々な感想がつぶやかれている。武蔵の殺陣を絶賛する声や「お通が美人過ぎる」といった意見などがある中で、全体にミスキャストだという批判的なものもあった。ただ、木村拓哉が制作発表やラジオ番組で明かしたところでは、カラダを張った“魂”の一作であったことは確かなようだ。
テレビ朝日開局55周年記念ドラマスペシャル『宮本武蔵』は2夜連続放送の第1夜、3月15日の放送中から「お通役の真木よう子が棒読みだ」とネットで話題になるほど注目された。
ドラマの制作発表記者会見では、武蔵役の木村拓哉が真木よう子についてドラマ前半で見られた2人で馬に乗って逃走するシーンのエピソードを語っていた。
本来、武蔵もお通もスタントマンが馬に乗る予定だったが、木村が「僕がやります」と提案したところ真木も「自分で乗ります」と言い出した。乗馬の経験を確認すると、彼女は「馬はないですが、ロバならあります!」と胸を張るので「どこまで自分の身を削られる方なのかなと思いました」と木村も感心したという。
真木よう子は映画『パッチギ!』などにも出演してきたが、やはり彼女を一躍有名にしたのは2007年にスタートしたドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』だろう。2010年にはNHK大河『龍馬伝』でヒロインお龍役に抜擢されている。『SP』の笹本絵里役やお龍役も芯の強い女性を好演していた。今回のお通役も篠笛を吹く清楚な女性ではあるが、その中に芯の強さがあるという役柄だ。
そんな彼女について、視聴者からは「演技うまいけど、時代劇はイマイチって思ってしまった。セリフが…」という指摘も少なくない。だが、一方では「真木よう子のお通は原作のイメージ通りかも知れない」、「それにしても真木よう子さんは着物姿が素敵です」というつぶやきもある。
実は彼女、『真木よう子 makiyoko_official Instagram』で以前に「着物を着ると別人格になる」とコメントしている。もしかすると和服を着た役の方が真木よう子の真髄を出してくれるのではないだろうか。
そして、主演の木村拓哉だ。彼についてはスペシャルドラマ『宮本武蔵』のキャスティングが公表された時点で「明らかにミスキャスト」などの批判もあったが、何につけても賛否の声が出るのはスター木村拓哉の宿命だろう。
彼が自身のラジオ番組『木村拓哉のWhat’s UP SMAP!』で、ドラマ『宮本武蔵』放送前日に過酷な撮影について語っている。
リスナーから「SMAP×SMAPのビストロで腕まくりをした時に傷だらけだったので驚いた」と心配された木村は、「気にさせちゃってる部分があるかもしれない。まぁ、大したことはないです」とそれが殺陣による傷だと認めていた。
本来は「やべ、ケガしちゃったよ~」というテンションになる撮影も、「今回の宮本武蔵に関しては、腫れ上がった指の関節だったりとか、至るところで手の皮がめくれたり、そういうことが徐々に武蔵に近づけているような感覚」だというから凄まじい。
昨年の12月20日くらいから撮影に入ったが、31日の紅白歌合戦に出場する頃にはカラダに筋肉がついて衣装が合わなくなっていたそうだ。「今でも右手の肘から手首にかけて、えらい太くなっちゃって…武蔵ってすごいんだなと思いましたね」というほど刀を振ったのである。
吉川英治による小説『宮本武蔵』を基に実写化するのが一般的だが、今回のドラマ化ではそれに漫画『バガボンド』(原作:吉川英治 漫画:井上雄彦)のイメージが加わったようだ。さらに吉岡清十郎役に松田翔太、佐々木小次郎役に沢村一樹そして又八役にユースケ・サンタマリアといった斬新なキャスティングで、新たな『宮本武蔵』に挑戦した意欲作ではないだろうか。
※画像は『真木よう子 makiyoko_official Instagram』のスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)