米オハイオ州の41歳の女性が、「シーラという名前はイヤ。セクシーに変えたいわ」と郡裁判所にて正式に改名を申請した。“この言葉を人の名前として認めるか”が認定のポイントとなるが、裁判所がこれを受理したために大変な話題となってしまったようだ。
戸籍制度に従って国民を姓名で管理・把握しようとする日本と違い、改名が簡単に行われる国は意外と多い。アメリカもその一つであり、名を変えた方が職業上の利益が見込める、ストーカーやDVの被害を逃れたい、好きなニックネームがある、自分のパーソナリティをより的確に表す言葉がある、そのような場合に裁判所に申請すると、熟考のための一定期間を経て正式な改名が認められる。もちろん前科のある人間や、酔った勢いでの安易な改名の希望は応じてもらえない。
さて、米オハイオ州でこのほど41歳の女性が特殊な改名に成功したことを地元メディア『The Columbus Dispatch』紙が伝え、人々の注目を集めている。パタスカラ在住のSheila Ranea Crabtree(シーラ・レイネア・クラブツリー)さんという女性(画像はabcnews.go.comのスクリーンショット)が、このほど郡裁判所で「Sheilaはどうしても好きになれません。これをSexyに改めることを望みます。“Sexy”は私のパーソナリティそのもの。誰からもいつもそう呼ばれています」として改名の申請を行い、それが無事に受理されたというのだ。
改名を希望するも、「この言葉を人の名前として認識することは困難です」という常識の壁にぶつかり、却下されてしまうケースは多い。“Sexy”もその典型例であろう。しかし「夫や娘も“Sexy”に変えた方がいいと強く後押ししてくれています」との言葉に、裁判所も受理せざるを得なかったという。自分のパーソナリティについて、彼女は同紙に「私ってすごく明るくて楽しい人間。自由奔放よ」と説明している。裁判所の認可の基準として、実は“前例”が大きくモノを言う。明るくて自由奔放な女性が“Sexy”と名乗ってよいのであれば、もう何だってアリ。今回のケースについてアメリカの人々は、「たいした前例を作ってしまったものだ」と苦笑している。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)