“タモリ名言集”とサイトで特集されるほどタモリがこれまで語った言葉には味わいのあるものが多い。だが、タモリがどのような真意で話したのか確認した者は少ない。あの“今でしょ!”の東進ハイスクール講師、林修先生が『笑っていいとも!』で“タモリ語録”の真相をタモリに直接確かめた。
2月10日の『笑っていいとも!』のコーナー“じっくり話し太郎”で林修先生がタモリと2人でトークすることとなった。彼は「これまでタモリさんが話したことについていくつかうかがいたい」とフリップに“タモリの名言”を書き出してきたのだ。
リハーサルで林修先生が聞いたという『友達はいらない。諸悪の根源である』について、タモリは「これは言った覚えがある」と認めている。
「『友達100人できるかな』とかいう歌が嫌いだ」というタモリは「何が誇りなんだ! 友達の数が多いと人生が豊かになるなんてとんでもない勘違いだ」と持論を展開。彼は友達が集まって団体になると楽しいことは認めながらも「結局、その“輪”以上のことができない気がする」と1人になった方が可能性が広がると説く。
さらに、「今は1人だと人間の価値が低く見られるようだ。学食で1人でごはんを食べていると『あいつは最低の人間だ』と見られるのが嫌でトイレでご飯を食べるらしい」と若者の間で1人でいることを“ぼっち”と呼ぶことや“便所めし”という風潮を嘆き、「1人がイイ! 1人で十分だ」と林先生と意気投合していた。
続いて、『やる気のあるものは去れ!』はタモリがラジオ番組を持っていたときに言ったものだという。彼の仕事に対する姿勢にも通ずるところがあり「“頑張ってしたいと思います!”という奴は暑苦しい」と指摘する。「やる気のある奴は物事を中心しか見ていない。面白いことはその周辺にあることに気づかず、視野が狭くなる」というのだ。
林先生から仕事について「タモリさんは好きなことをやる方ですか」と問われて「今はそうかもしれないが、若いときは選んでいられない。いろんな仕事を一応全部やってみることも大事だ」と答えている。「やりたいことが見つからないというが、当たり前だ。やってみて分かるものだし、若いうちはムダなんてない」とアドバイスした。
また、『私のような有段者になると、酒を一滴も飲まずに泥酔状態になれる』という発言については「酒がなくとも、人間は精神的にどんどん調子に乗れば、泥酔した状態と同じようになれる」と解説する。
タモリは中学2年生の時に初めて、酒を飲まずに“泥酔状態”を体験したという。金持ちの友人の家の別荘に数人で泊まった時の事だ。「掃除も料理も何もかも楽しくて」とテンションが上がりっぱなしで、子どもながらに酒に酔ったような状況が続いたという。
翌日は海にボートを出してみんなでボートから飛び込んで遊んでいると、タモリは泳ぎながら「俺って泳げないんだ」と思い出した。それ以来、泳げるようになったというから凄い効果だ。その時と同じように、タモリは今でも酒を飲まずにテンションを上げていくことで泥酔状態と同じようになることができるのだ。
ちなみに『友達はいらない』の件で、林先生から「“友達の輪”ってやっていましたよね?」と追及されたタモリはしばし言葉が出なかったが、やがて「これ(友達はいらない)に気づいて止めたんだ」と答えた。しかし、これは言い逃れで、実は番組上の理由がありそうだ。
“タモリの名言”とされる言葉はまだまだあるのだが、「もう忘れているかもしれない」とタモリも言うほどいろいろなパターンがある。今回のように、その真意を聞くと改めて感心することからも、タモリから1つずつ解説して欲しいほどだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)