エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】坂上忍、16歳で演じた好青年。幻のドラマ『東大一直線 もう高校はいらない!』がスゴイ。

俳優の坂上忍。今では個性的なキャラクターがウケてバラエティでも活躍する彼だが、天才子役と呼ばれた時代もあった。中学までのつもりが、家庭の事情で俳優を続けた彼が16歳の頃に出演したドラマ『中卒・東大一直線 もう高校はいらない!』(TBS)をご存知だろうか。実はこのドラマはDVD化されておらず、動画も見当たらない幻の名作となっている。近年は俳優よりも毒舌キャラのイメージが強い坂上忍だが、子役時代から培った演技力を見せ付けた作品のひとつだ。

実話をもとにしたストーリーのテレビドラマ『中卒・東大一直線 もう高校はいらない!』は、TBS系列で1984年2月3日~3月30日の金曜日20時から放送された。

坂上忍演じる中学生の磯田一は制服が嫌いとの理由で私服登校したことから担任に問題児扱いされる。中学校のやり方に納得がいかない磯田一は高校に進学せず、大学入学資格検定(大学に入学する学力の有無を判定していた試験で、2005年度より高等学校卒業程度認定試験に移行した)を受ける道を選ぶ。

彼の父親・磯田浩(菅原文太)は塾の経営者だ。磯田家は母親の磯田初子(由紀さおり)と磯田一を長男に弟や妹がいる。前田正人、今井理恵、石井ひとみ、岩瀬威司らが演じる4人は兄の影響で私服登校か制服登校かで悩むこととなる。

また、磯田一の友人や知人役で坂井徹、有森也実、比企理恵、工藤静香などが出演している。磯田一や父親の方針と反目する中学の担任・北見先生役を長塚京三が熱演。さらに新井康弘、谷隼人、辺見マリも先生役を務めた。

当時は不登校という言葉も広くは知られておらず、高校進学をせずに大検(大学入学資格検定)によって大学進学、まして東京大学を目指すことは視聴者にとってショッキングでもあった。悩み苦しんで努力の末に東大に合格する磯田一の姿は感動を誘ったものだ。それを好演したのが16歳だった坂上忍である。

また、坂上と同じ年代の有森也実が演じた久美の清純な姿も同ドラマの魅力のひとつだった。その彼女が後に大胆な濡れ場を演じる女優へと成長して、実生活でも彼氏と24時間キスをしたり、入院中の彼氏に手紙を出し過ぎてストレスで胃潰瘍にしたりするような“女”となった。彼女と共演したことがある坂上忍もバラエティで「キスシーンが無神経」だと暴露したが、彼も久美役だった有森也実の変貌ぶりには驚いたことだろう。

その坂上忍も46歳となり、年下女性と熱愛報道も飛び出したばかりだ。その件について隠すこともなく「菊川怜をハーフっぽくした美人」で素敵な女性だと明かしており、結婚については「彼女次第」だと潔い。いつも毒舌キャラばかりだが、時おり見せる彼の真面目な一面はあのドラマの頃の熱い演技を思い出させる。

ドラマの放送から30年が経ち、ネットで『東大一直線 もう高校はいらない』と検索しても動画やDVD情報は見かけない。しかし、ロックバンド・THE MODSが歌った主題歌『バラッドをお前に』の情報は出てくる。THE MODSの中でも名曲とされる一曲だ。

http://youtu.be/7zGu6Bb_3ro

(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)