女の子へのクリスマスプレゼントに人形を考えていた、という方もいらっしゃるであろう。だが危険な化学物質を含んだ商品が出回っていることがままあるので、どうかご注意頂きたい。イギリスでは1年ほど前にそうした問題が発覚し、商品は完全に撤去されたはずであったが、またしても店に陳列されるようになったというのである。
ふっくらとした肌触りも可愛らしいこうした人形たち。ただし発がん物質が含まれていない、信頼できる商品を購入することが必要である。昨年のクリスマス商戦を経て今年1月、英ウェスト・ミッドランズ州を中心に出回った人形から発がん性物質が検出され、人気の商品であるものの欧州各地でその販売が禁止となった。
この写真は英メディア『ITV News』がその時に報じた記事からのスクリーンショットである。上は“赤ちゃん人形”、そして下は“フルーツヘッド人形”の名で呼ばれ、ロンパースや頭のかぶりものに変化をつけた何種類ものバリエーションにより、CEマーク(EU圏に輸入された品の安全性と品質基準を保証するマーク)がないまま販売されていた人形たちである。
消費者からの「危険物質は含まれていないか」という相談をもとに、同州ソリフルの消費者保護団体“Solihull Trading Standards”がこれらを調査。そこでラットの実験では肝臓がんが、そしてヒトでは男性不妊症や胎児の奇形といった内分泌撹乱の危険性が確認されているフタル酸エステルの一種である「DEHP」の含有が発覚した。フタル酸エステルを使用した玩具について、日本では厚生労働省により2010年に“規格値を0.1%として6歳未満の子の使用を禁じる”との規制が定められたが、欧米のそれはもう少し厳しい。
あれから約1年、今年のクリスマス商戦においてそうした人形は本当に影を潜めたのか。残念ながら答えはノーである。英『BBC News』は今月15日、このフルーツ人形が今度はケント州メドウェイで再び販売されるようになったことを報道。メドウェイの消費者保護団体“Medway Council Trading Standards”のイアン・ギルモア氏は、「商品からはやはり危険物質が検出されました。露天やディスカウントストアで販売されているようですが、とにかく買わないように」と警鐘を鳴らしている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)