アジア発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【アジア発!Breaking News】新税制により“偽装離婚”急増か。北京市の離婚率は前年度比4割増!(中国)

このところ夫婦の離婚率が急激にアップしてしまったのが、中国・北京市。3月に導入された不動産売却に関する新しい税法がきっかけで、偽装結婚ならぬ“偽装離婚”に踏み切る夫婦が増えたのではないかと話題を呼んでいる。

中国・北京で今年1月から9月までに離婚した夫婦の数は約4万組。前年度の同時期と比較するとなんと41%も上昇したそうだ。なぜ北京で離婚率が急激に高まっているのか専門家も注目していたが、そこで見えてきたキーワードは意外なものであった。

それはなんと“不動産売却”。北京市在住の結婚相談専門家、Li Ziweiさんは『北京青年報』紙に「近年の不動産価格の異常な高騰に、今こそ不動産に投資したい、儲けになる不動産を売却したい、しかしその売却益にかかる税金だけは支払いたくないという人々は増える一方です。そのような中で3月から新しい税法が導入されました。この時から離婚する夫婦が増えたように思われます」と説明している。

実は今年3月、中国・国務院弁公庁は高騰する不動産価格を抑える対策として「国五条」を打ち出し、原則として不動産売却時のキャピタルゲイン(売買で発生した差益)につき譲渡所得税20%を課すと定めた。それまでの税率が1~2%であったことから、売却を狙う人々にはかなり痛い増税であったが、このような文言がそこに付加されていることを北京市の人々は見逃さなかった。

「夫婦は2つまで不動産を共有すること、および離婚により分ける際は1人ずつの名義にすることが許される。またもしも復縁して婚姻関係に戻るのであれば、その場合に限り不動産を売却するにあたっては非課税とする。」

不動産価格の高騰を抑えたい、財テク目当てで売却を図ろうとする人々の数をこれ以上増やしたくない中国政府。ここに、離婚率上昇の問題も同時に解消できればと狙ったのであろう。しかし人々はこれを都合よく利用し、偽装結婚ならぬ“偽装離婚”を思いついたのではないかとLiさんは見ている。

ただしこの動きについて、婚姻や離婚の届け出を受理している上海市の「民政局」職員は冷静だ。「現在の不動産マーケットは決して安定したものではありません。様々なリスクを考えると、今ここで離婚してまで資産を売却すべきかどうか慎重に見極めた方がよいですね」と同紙に語っている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)