本来なら幸せムードでいっぱいであったはずの結婚式は、突如乱入した警察官らによって滅茶苦茶になってしまった。

北アイルランドの都市デリーで行われていた結婚式に、偽装結婚の疑いがあるということで警察官数名が突如乱入したのは、花婿が中国系の花嫁に、まさに結婚の誓いをする直前の出来事であった。

どこから、そしてどういった理由でこの結婚が偽装結婚であると警察が判断したのかは、警察側が明らかにしていないので不明である。だが周囲からの迷惑そうな雰囲気などものともせず、警察は式を中断させ、主役である花婿と花嫁にはもちろんのこと、約40名の招待客1人1人にまで丁寧に尋問を行ったというからただごとではない。

国によっては増加する不法移民対策の一環として、法的に婚姻関係を結んだカップルが一緒のベッドに寝ているかチェックすることで、その婚姻関係が偽装でないか調べる国もあるというが、北アイルランドにもそれと似たような姿勢があるのだろうか？

捜査の結果、偽装結婚であるという疑いはすっかり晴れたようで、警察は自分たちの乱入について陳謝している。だが近いうちに結婚式を一からやり直すことになったとはいえ、一生に一度の晴れの日の舞台を台無しにされてしまった花婿と花嫁は当然憤りを隠せずにいるようだ。

苦い思い出を消すことは出来ないであろうこの2人の心情は察するに余りあるが、逆にこれが厄落としになったと思えるほどの幸せな新生活を、2人には築いてもらいたいと思う。
（TechinsightJapan編集部　椎名智深）