お笑いコンビ・ピースの又吉直樹(33)は以前、中学時代の同級生と“線香花火”というコンビを組んでいた。当時は明るく前向きだった又吉に引っ張られる形で上京した2人。だがデビューして3年後、思わぬ理由で“線香花火”は解散することになる。
10月4日深夜放送の『さんまのファンタジスタ』にゲスト出演した又吉直樹はパンサーの向井慧(27)によると、後輩芸人達から陰で「キリスト」と呼ばれているらしい。誰にでも“異常に優しい”という又吉は、後輩に食事をご馳走する時でも彼らが食べたいものばかり注文させるという。“お前らの食べたいものが、俺が一番食べたいものだ”と、いつも微笑んでいるそうだ。一方、又吉の相方・綾部祐二(35)は、後輩らから「ポリス」と呼ばれている。縦社会を重んじる綾部は、先輩に対する言葉遣いや態度に非常に厳しいという。後輩の規律を正す役回りということから生まれた呼び名である。
又吉の芸人人生は、中学生時代の同級生と組んだコンビ“線香花火”から始まった。又吉の誘いで高校卒業後2人は上京し、NSC東京校(吉本興業のタレント養成所)に入った。“線香花火”として2000年から活動を始めると、レギュラー番組を獲得するなど同期の中では順調な滑り出しを見せていた。だが学生時代は明るくて非常にお喋りだったという又吉が、芸人として活動し始めると次第に性格が暗くなり、ネガティブに物事を考えるようになってしまう。この当時の心境を又吉は「先輩の芸を目の当たりにして自信を無くしてしまった」と、過去にテレビ番組で語っている。中学生時代の同級生とお笑いの世界を目指し、勢いで突き進んできたが大きな壁にぶち当たってしまったのだ。
この日“線香花火”の元相方がスタジオに招かれ、又吉の隣に座った。そして手紙を書いてきたという彼は、コンビ解散当時の本音を明かしたのだ。
解散の原因は「自分の“芸人への情熱”が無くなってしまったこと」だと言い、解散前の熱が冷めた僕と向き合うのは辛かったでしょう-と元相方は話す。そして又吉に「本当に申し訳なかった」と頭を下げた。
コンビ解散後、元相方の結婚式に招かれたがスケジュールの都合で欠席だった又吉は、VTRでお祝いコメントを送った。コメントの最後に一発ギャグを繰り返し、「こんなん、やるようになりました」とはにかんでいたという又吉。そのVTRを見た新郎である元相方は、不覚にも涙を流してしまったという。何もかも水に流した又吉からの結婚を祝福するメッセージが、本当に嬉しかったのだろう。
2人で乗り越えられなかった“芸人としての壁”。元相方の手紙に目を潤ませる又吉は、当時のやるせない感情を思い出してしまったのか。そして“線香花火”の解散から10年、サラリーマンとなった元相方とは最近、よくお酒を飲むようになったそうだ。傍らで又吉らの話を聞いていた綾部が、なぜか誰よりも泣いていたのが印象的であった。
(TechinsightJapan編集部 みやび)