オーディション番組『アメリカン・アイドル』に出場したところ、人種差別や不当な扱いを受けた。こう語る過去に敗退した出場者10名が、とんでもない額の賠償金を求めてこのほど同番組を訴えたことを芸能情報サイト『TMZ』が報じている。
実力をきちんと評価されて負けたならともかく、人種差別や非人道的な扱いを受けて負けたとあればそれは我慢ならない…!? FOXの人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』に前代未聞のトラブルが発生したもようだ。過去の複数の出場者が番組を相手取り大きな訴訟を起こした。
「自分たちはこの番組で人種差別、および冷酷非道な扱いを受けて恥をかかされ、その後の人生をダメにされた。一人につき最低でも25ミリオン・ドル(約25億円)を支払って欲しい。」
こう訴えたのは同番組に出場して敗退したコーリー・クラーク、ジェアード・アンドリュース、ジェイコブ・ジョン・スモーレイ、ドニー・ウィリアムズ、タレル&ダレル・ブリトナム、トーマス・ダニエルズ、アクロン・ワトソン、ジュノット・ジョイナー、クリス・ゴライトリーというシーズン2、3、5、6、8、9に出場した10人の男性。
このうち7人がアフリカン系であり、彼らを担当する弁護士は「番組はアフリカン系に限って過去の犯罪歴を厳密に調べ上げていました。そして暴行事件を起こした、嘘つき、変質者といったありもしない情報や過去の犯罪歴をでっちあげては、特定の出場者のイメージを悪くさせていたんです」と怒りをあらわにする。これが事実であれば、番組は出場者を“勝たせたい組”と“勝たせたくない組”に分けて扱っていたということになろうか。
例えば『ベネトン』社の広告には、公平な社会を目指すためにブロンド美女ではなくさまざまな人種、さまざまな髪色のモデルがズラリと並ぶ。これに象徴されるように、国民から高い支持を得ている『アメリカン・アイドル』などは、率先して人種差別のない番組作りを目指すことが求められていたに違いない。一人につき最低25億円という賠償請求額は異常で、「この10名の被害妄想あるいは過剰反応」という意見も多いが、彼らの主張が正しいと裁判で認められる可能性もあり注目が集まっている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)