今年5月で88歳になった、脚本家の橋田壽賀子さん。7月から新たな連続ドラマの脚本を手がけるなど、創作意欲に衰えは全く感じられない。熱海の自宅で執筆活動を続ける彼女は、毎日どのように過ごしているのだろうか。
約20年にわたって放送されたTBS系の人気ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』が、2011年9月に終了した。この時に橋田さんは、「これからは毎日、ぐうたらして暮らせる」と肩の荷が下りた思いだったそうだ。だが2年近く時が経った今も、真夜中に仕事をこなす日々なのだ。
7月13日放送の『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)では橋田さんをゲストに迎え、まず彼女の一日を再現したドラマを紹介した。
朝8時に起床した橋田さんは朝食後、一日おきにジムで1000メートル泳ぐという。帰宅後は午前11時頃から、ひたすらテレビ鑑賞。お昼の情報番組から再放送のドラマ、夜はニュースやドラマを見続ける。まさに半日以上、テレビを見ているのだ。そして日付が変わる午前0時頃から脚本の執筆を始め、3時間くらい集中した後に就寝。睡眠時間は約5時間、現在の彼女はこのような毎日を送っている。
「あんなとこ、二度とやらない」と橋田さんが語気を強めたのが、NHKに対してであった。しかし彼女はNHKの朝の連続テレビ小説や大河ドラマで、何本もの脚本を執筆している。その点でNHKドラマの脚本書きは、やり尽くした感があることを話した。
だがもう一つ、NHKの仕事を引き受けたくない理由はギャラの安さにあるという。民放とは“0(ゼロ)”が1桁違うそうで、「NHKは(ドラマを完成させる)契約をしないとギャラが高くならない」というのだ。「途中で仕事を降りる自由が欲しいから」と、橋田さんは契約を交わさなかった経緯を詳しく説明していた。
世の中のドラマの傾向を勉強したいので民放をよく見るが、NHKのドラマは一切見ていないそうだ。もうNHKドラマの脚本は引き受けないので、見る必要が全く無いと彼女は考えているらしい。だが夜のニュースや報道番組は、NHKに信頼を寄せているようだ。
原稿は今も手書きで、橋田さんの家にはパソコンも置いていない。新作ドラマも役者泣かせの“長セリフ”は健在で、2~3分間喋り続けるのも珍しくないという。そんな橋田さんが大ファンの俳優は、福山雅治(44)。彼が演じるドラマの脚本をもし橋田さんが頼まれたら、福山にどんな台詞を与えるのだろうか。
(TechinsightJapan編集部 みやび)