AKB48が6月29日に、大型歌番組『音楽の日』で新曲“恋するフォーチュンクッキー”を初披露した。これまでのAKB48のヒット曲とは違ったカラーの楽曲だったことから、ファンの感想も様々だ。そんな中で音楽評論家の田中宗一郎氏が同曲についてツイッターでつぶやいて話題となっている。
“タナソー”こと田中宗一郎氏は洋楽専門の音楽雑誌『rockin’on』の副編集長を務めると、1997年に退社して音楽雑誌『snoozer』を創刊する(2011年に廃刊)。その後も音楽評論家やDJとして活動を続け、現在はクラブイベントclub SNOOZERを主催している。音楽に通じるその彼が『田中宗一郎(soichiro_tanaka) ツイッター』で、6月30日に「録画しておいた恋するフォーチュンクッキーを観るのです」とつぶやいた。
田中氏は“恋するフォーチュンクッキー”(以降、恋チュン)について「フィリー・ソウルっぽくて超いい」と高く評価しているのだ。フィリー・ソウル(フィラデルフィア・ソウル)は70年代前半に米国のフィラデルフィアから起きたソウルミュージックの一形態だ。日本でも人気のあるスタイリスティックスもフィリー・ソウルである。
“恋チュン”についてはAKBファンによるサイトでも、「ロコモーションを思い出した」、「イントロがヴァン・マッコイのハッスルみたい」などの感想が書き込まれており、やはり昭和のディスコミュージックをイメージする者が少なくない。一方で、「ダンスチューンもどきだな。のれないテンポ」、「一時代前のアイドルの曲って感じ」という評価もあり、同じサウンドでもどのように捉えるかで賛否が分かれるようだ。
田中氏は「ヴァースの歌メロが2倍に刻んでいたりすれば、もっと雰囲気出たのになー」、「ドミナントでためまくるところのストリングスとか、間奏のアレンジとかホントいいなー」、「オーソドックスなコード進行もJ-POP感まるでなし」と専門的な解説もしており、「佐野元春先生ならずとも、ご機嫌だね!と言いたくなる仕上がり」とまでいうほどだ。あるいは“恋チュン”は玄人ウケするのかもしれない。
彼はAKB48にも詳しく、「ぱるぱるさんの動きがどうにもならないのはデフォルト」、「クラシックバレエやってただーすーの動きに一切裏拍がない」と島崎遥香や須田亜香里のダンスまで指摘しており、選抜メンバーにも「ファンキーに踊るには、タメと省エネが大切ですよ、あっちゃんみたく」とアドバイスしているのだ。
今回は指原莉乃がセンターなので“音頭”になるという話もあった。そのため新曲を聴いて「音頭の方が良かった」という意見も出ているが、田中氏ほど細部にこだわらなければ“恋チュン”も踊りやすい楽曲と振付けになっている。秋元康も「踊りやすい」という共通点から、ソウルミュージックにしたのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)