2009年6月に急逝したマイケル・ジャクソンについて、母と遺児はロンドン・カムバック公演の企画会社「AEG Live」に対し、40ビリオン・ドルの損害賠償を求める訴えを起こしていた。その裁判を前に、有名ジャーナリストがこのほどマイケルを死に至らしめたとして服役中のコンラッド・マーレイ元専属医との獄中インタビューに成功。大変な話題になっているので2回に分けてお伝えしたい。

2009年6月、急性プロポフォール中毒により急逝したマイケル・ジャクソン。彼にその強力な麻酔薬を投与した当時の専属医コンラッド・マーレイは、懲役4年の実刑判決を受けて2011年11月から刑務所生活を送っている。ただしマイケルの母と遺児はロンドン・カムバック公演“This Is It”を50公演も計画し、腕の怪しい医師マーレイをマイケルに紹介したAEG Live社の責任は重いとして、2010年9月に同社に対し40ビリオン・ドル（約3.75兆円）の損害賠償を求める訴えを起こしていた。

その裁判がいよいよ始まるにあたり、アフリカ系の有名なジャーナリストでCNNの『Newsroom』ではアンカーとしても活躍しているドン・レモン氏が、弁護士立会いのもとマーレイとの獄中インタビューに成功した。相変わらず罪の意識がまるで希薄なマーレイ。気になる部分を抜粋でお伝えしてみたい。

■マイケルのプロポフォール依存を克服させる努力をした
「マイケルの睡眠障害治療において、私はプロポフォール依存から脱却させる試みを続けていました。死の3日前には、それを一旦やめることに成功したくらいです。」

■マイケルの重度の鎮静薬依存はあの皮膚科医のせい
「ところが長年薬に依存してきたせいか、それではマイケルが納得しませんでした。彼は、私よりはるかに付き合いの長い皮膚科医アーノルド・クライン氏のもとに何度か出かけ、とんでもない量のデメロール（麻薬性鎮痛剤）をもらって帰ってきましたから。」

■マイケルは泣きながらプロポフォールの投与を求めた
「マイケルはあの日の午前10時40分頃、プロポフォールをどうか打って欲しいと哀願してきました。あれだけの栄光を極めながらすでに見る影もなく、はかなげに泣いている彼を見たら切なくなり、25ミリグラムをゆっくりと投与してマイケルが眠りに落ちてからも30分間そこを離れませんでした。大切な友人を助けたかっただけで私は無実。間違ったことなど何もしていません。」

■マイケルの死に動転し、心臓発作を起こしそうになった
「誰もあの時の私の様子を見ていないため、証明してくれる人がいないのが残念です。マイケルの状況にひどく動転した私は、自分こそ心臓発作を起こしかねない状態でした。」

■私はスケープゴート
「私は選ばれてイヤな役を押し付けられたようなものです。マイケルの死という大変な現場に、たまたまの悪いタイミングで居合わせてしまっただけなのです。」

以上は、マイケルの死についてマーレイが主張した中から抜粋したものである。マイケルの脈が確認できなくなったことに、心臓発作を起こしかねないほど動転したというのは事実であろうが、その危険すぎる投薬を行った医師である以上、「私は間違ったことなど何もしていない」と言い切るのはあまりにも無責任。しかもAEG Live社は、彼に破格の報酬を支払っていたと言われている。しかしレモン氏の深い追及を恐れてか、あるいは裁判対策か、弁護士はマーレイの滑らかすぎる口に「そこでストップ」と要請した。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）