ジャーナリストの田原総一朗氏が担当するラジオ番組に届いた「AKB48のメンバーが、47都道府県をそれぞれ担当する」といった地域活性化について書かれた投書について、ブログで見解を述べている。田原氏はAKB48のファンでもあり、『AKB48の戦略!秋元康の仕事術』という書籍も出しているだけに、その投書の内容に大きな可能性を感じたようだ。
AKB48のライブDVDのCMで、田原総一朗氏が小林よしのり氏や宇野常寛氏などAKBファンで知られるメンバーを前に熱弁するシーンは印象的だった。彼は昨年の夏からAKB48に興味を持ち、劇場公演にも出かける熱心なファンとなったようだ。ジャーナリストだけに、単に応援するだけでなくAKB48の人気の秘密についても冷静に分析している。
2月25日の『田原総一朗 公式ブログ』では、彼のラジオ番組でニューヨークに住む男性リスナーから届いたという投書が紹介されている。そこには「AKB48のメンバーが47都道府県を担当して、さびれた商店街での売り上げが目標を達成したら『握手会を開きます』と発表すれば、ファンが買い物をして盛り上がるだろう」という提案が書かれていたのだ。
田原氏も日頃から講演で各地を訪れて「どこの商店街も“シャッター通り”になっている」ことを痛感しており、「おもしろいアイデアだと僕は思う」とこの投書に共感したのである。彼はAKB48のファンには握手会の為に多くのCDを購入する者もいることを説明すると、「そのうちの一部だけでも、商店街で買い物するようにしたらすごい金額になる」と想定し、さらに「テレビで活躍する人気者が来るという“非日常性”が、街に活気を呼ぶのではないか」と主張する。
すでに似たような現象が、プロ野球界では現実のものとなっているのだ。「かつてプロ野球のパ・リーグは首都圏と関西が本拠地の球団ばかりだった。だが今は球団本拠地が地方に散らばっている」と、田原氏は福岡ソフトバンクホークスや北海道日本ハムファイターズ、東北楽天ゴールデンイーグルスなどを例に挙げている。「おらが街の球団」同様に、「おらが街のアイドル」が地域活性化につながるというわけだ。
福岡ローカルのテレビ番組にレギュラー出演しているHKT48の指原莉乃が“さしP”(指原莉乃プロデュース)という企画で、博多区の商店街より「さしPの力で商店街を盛り上げて欲しい」と依頼を受けたことがある。彼女が商店街の人々と作った“さっしー弁当”を販売したところ、地元だけでなく全国からファンが訪れて過去に例のない賑わいとなったのである。一過性のものではあるが、人気アイドルが商店街の活性化に一役買うことができることを証明したのだ。
田原氏のブログには彼の提案に対して様々な意見が届いている。商店街にもそれぞれに“シャッター通り”となった原因があり、ひとまとめにして解決できる妙案はないのかもしれない。それでも何かを試してみなければ解決の糸口は見つからないものだ。彼の提案がどこかの街で形となることを期待したい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)