昨年12月に自殺した大阪市立高校の男子生徒が部活の顧問から体罰を受けていた問題は、朝の情報番組でもトップニュースで報道されている。元プロ野球選手の長嶋一茂もレギュラー番組でこの問題についてコメントを求められたが、強豪校野球部出身の彼は終始歯切れの悪いものになった。
1月11日放送の『情報満載ライブショー モーニングバード!』(テレビ朝日系)内で長嶋一茂は、“しごき”という表現で自分が学生時代の野球部で受けた事実を語り出した。
「“ビンタ”とか“けつバット”とか含めて、このレベルではなかったですけど」と言葉を選びながら慎重に話す。だがこれらの行為は“指導者からの愛情を感じていた”と強調、何十発殴られようと今でも彼らを「恩師」だと思っているそうだ。ひと昔はこういう事実があったということを理解して欲しいと、長嶋は訴えた。
そして“限度を超えるものは許されないが”としながら、「ビンタのようなものを一斉廃止しちゃうとどうなのかな…と、僕自身はあるので」と、この問題で教育現場が萎縮してしまうことを彼は心配する。
だが、前日の同番組にレギュラー出演した高木美保は、スポーツ指導者という立場の人たちの多くが“信頼関係がある上での体罰は容認”とコメントすることに対して、「信頼関係があってもなくても体罰は許されない」と明言。体罰を“愛のムチ”“強くなるためには仕方がない”といった風潮を訝った。
自ら命を絶った男子生徒はバスケットボールを愛し、強豪校でプレーできることを誇りに思い、チームメイトを大切にしていたはずだ。その夢と希望に燃えていた10代の若者を死に追いやったのが、報道されているように部活の顧問からの体罰が原因ならばあまりにも残酷である。関係者はぜひ真相を隠すこと無く、明らかにして欲しい。
(TechinsightJapan編集部 みやび)