芸能界特技王決定戦『TEPPEN 2013』のピアノ部門で前回チャンピオン、松井咲子が2連覇を逃した。彼女がブログで「正直、悔しいし不甲斐ないです」と心境を綴ったところ、ファンからは心配と励ましのコメントが殺到している。
今回で5回目を迎える『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』が1月5日に放送された。前回のピアノ部門では、第1回、第2回と連覇して女王と呼ばれたさゆり(かつみ・さゆり)がまさかの演奏中断する波乱があった。初参加だったAKB48で現役音大生でもある松井咲子が強敵、森崎友紀(料理研究家)を破って優勝したのだ。
今回はそのさゆりも参戦しており、「あの日からずっとあの場面が夢に出てくる。実は昨日も出てきたんです。TEPPENの悪夢はTEPPENでふり払いたい」と彼女はリベンジを誓う。『津軽海峡・冬景色』を演奏したさゆりは、「手が震えましたが、最後まできちんと弾けて幸せでした」とホッとしていた。それまでの最高点だった青木さやか『白い恋人達』の81点に対して、さゆりは82点と評価されたのだ。
前回は松井咲子に敗れて楽屋で悔し泣きしたという森崎友紀は、「憧れのジャズに挑戦できて嬉しい」と『M』のジャズバージョンを弾いたが、今回は彼女が演奏を中断して弾きなおすというハプニングがあった。森崎が51点となり、最後に現チャンピオン・松井咲子の演奏を待つのみとなった。
「前回よりも背負うものが大きくて、凄く緊張している」と話す松井咲子は、『my graduation』を演奏した。複雑なアレンジを弾きこなす彼女に、会場も息を呑んだ。だが、松井は演奏を終えると「自分に勝てなかったところはあります。右手がすごく動く箇所が緊張して…悔しいです」とコメントしたのだ。
そんな松井の演奏を審査員は厳しく批評した。秦万里子は「技術的に難しいことがいっぱい詰まっていると、技術の向こう側にある音楽を見失いがちになる。自分のフォーカスするところが技術面にいってしまうと、SPEEDの名曲をどうやって全体的に表すかおろそかになる」と分析した。さらには「AメロからBメロになる時にも、もう少し歯切れよくリズムを出してペダリングをもっと考えるとメリハリがついたと思う」と細かくアドバイスしている。
川井郁子は「クラシックを勉強していると、どうしても『ミスしちゃいけない』と考えてしまう。『ちゃんと弾かなきゃ』という自分にはばまれてソツの無い演奏にとどまった感じ」と残念そうに批評した。審査委員長の服部克久は得点で松井咲子を評価したが、総得点は81点となり、さゆりがTEPPENに返り咲いたのである。
松井咲子は放送後にブログ『さきっciao』で、「TEPPEN見てくれた方、応援してくれた方、本当にありがとうございました」とファンへ伝えている。彼女は今回の演奏と結果について「正直、悔しいし不甲斐ないです」と辛い気持ちを明かすと、「皆さんをがっかりさせてばっかりで本当にごめんなさい」、「お耳汚し、本当にごめんなさい」と自分を責めるかのように記したのだ。
言葉では表現しつくせない松井の胸のうちを思って、読者からもコメントが寄せられている。「鳥肌立つくらい咲子さんの演奏に感動したのは事実。ド緊張する中、よくやったよ」、「勝ち負けより、どれだけの人が咲子さんの演奏に感動したかが大事だと思う」と彼女の演奏に感動したという声が多い。また、落ち込む松井を心配して「お耳汚しなわけないし! 落ち込まないで」、「お耳汚しとかとんでもない!! 咲子さん上手だったもん」と励ましてくれるファンのコメントはありがたいものだ。
番組で、敗者となった松井は感想を求められると「負けず嫌いなので、すごく悔しいと燃える。いい刺激になりました。チャンスがあればリベンジしたいです」と語っている。次のTEPPENではさらに成長した彼女の演奏を聴かせてくれるはずだ。ただし、トラウマを克服したさゆりはさらに安定感を持っており、森崎友紀や青木さやかもこのままでは終わらないだろう。再びTEPPENを取るには相当な努力が要りそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)