エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】12年ぶり『ものまね王座決定戦』で異変。素人がダークホースに。漫談封印した芸人の快挙も。

伝説のものまね番組が12年ぶりに復活して話題となった『ものまね王座決定戦』が7月6日に放送された。今回は“ものまね四天王と女四天王”からも多数の参戦があり、「一度は優勝したかった」と挑戦するものまね芸人たちと審査員泣かせの熾烈な勝負争いが繰り広げられた。だが、ダークホースの登場で後半は全く予想を覆す対戦となったのだ。

昭和から平成にかけて放送され清水アキラ、コロッケ、栗田貫一にビジーフォーといった“ものまね四天王”を輩出してものまねブームを起こしたのが『ものまね王座決定戦』だった。7月6日の放送では清水アキラ、栗田貫一といった四天王のメンバーに加えて、“女四天王”と呼ばれた松本明子に松居直美、そして森口博子も出場した。

さらに『ものまね王座決定戦』で優勝経験のある布施辰徳や「一度は優勝したかった」というカール北川など、ものまね界のベテランも参戦したのである。審査委員長の堺正章をはじめ、片岡鶴太郎や小川菜摘、かたせ梨乃など審査員10名もベテラン同士の激戦を予想していたはずだ。

ところが1回戦から清水アキラや栗田貫一に松本明子、森口博子と姿を消す中で、「今回は漫談を挟みません」と宣言したお笑い芸人のエハラマサヒロが勝ち進んでいた。さらに唯一の素人である田口佑希が、高音を生かした歌声でスタジオを魅了しダークホースとなった。

エハラマサヒロは結局、準決勝まで勝ち進んだ。彼は7月7日にブログ『エハラマサヒロの「器用貧乏株式会社」』で、放送を見た読者からコメントが多数届いたことにお礼を述べている。番組中にも「僕は“ものまね芸人”ではないが、どこまでやれるかを試したい」と熱く語っていた。ブログでも「マジで真剣に練習して真剣に立ち向かってやったら、準決勝まで行かせて頂いた。悔しいけどあそこまで行けたのは自分で快挙やと思います」と心境を綴っており、納得のいく結果だったようだ。

そしてダークホースの田口佑希である。普段はトンカツ屋さんのアルバイトをしているが、『大晦日はマル・マル・モリ・モリ!爆笑そっくりものまね紅白歌合戦祭りだ祭りだ!スペシャル』で歌った大黒摩季の楽曲「熱くなれ」で注目された。

今回はその「熱くなれ」で実力派の松井絵里奈を破ると、司会の東野幸治から「頭の上でパカーンと口が開いていた」と高音の凄さを評された。2回戦では松村和子の「帰ってこいよ」を熱唱。今度は今田耕司から「それで歌われたら帰ってくるよ!」と絶賛される。3回戦で天才、いっこく堂に勝った歌は広瀬香美の「promise」である。今回彼女が歌った楽曲は「熱くなれ」以外は十八番ではなく、この日の為に覚えたというから驚きだ。

決勝戦でも、練習したての楽曲「夢見る少女じゃいられない」を選んだ。ベテランのカール北川と世代交代の使命に燃えるミラクルひかるを相手に、彼女は相川七瀬かと勘違いするほどの落ち着きぶりで熱唱したのである。結果はミラクルひかるが接戦を制して先輩たちを前に「世代交代」を宣言した。だが、田口佑希もミラクルの得点に2点差に迫る高い評価だったのだ。ものまねでは優勝を逃したが、とても素人とは思えない芯の通った彼女の歌声とその姿は、この日一番の感動を与えたのではないか。

早速司会の2人から「田口先輩」と呼ばれてそのニックネームが定着したのも、彼女の持つ落ち着いた雰囲気がさせたのだろう。お世話になっているアルバイト先のとんかつ屋さんに感謝している彼女のことだ。今後芸能界に進もうと思っているかは分からないが、今回の活躍で話題になることは間違いない。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)