writer : yonashi

【ドラマの女王】当たり外れが極端すぎる? 打ち切り決定『クレオパトラな女たち』に見る日テレ水曜10時枠の不思議。

佐藤隆太主演の『クレオパトラな女たち』(日本テレビ系)が、第8話で終了することが決まった。初回から視聴率は10%を切り、その後6%台から7.9%まで上昇するも結局一ケタに低迷していた。

岸峯太郎(佐藤隆太)は母親に捨てられ、女性不信の形成外科医。父親の作った膨大な借金の連帯保証人になってしまったため、大学病院の安月給では耐えられないと美容整形外科クリニックに転職する。しかし、そこはスタッフも患者もほとんどが女性だらけの世界。そんな世界で、様々な女性たちと関わりながら峯太郎が成長していく様子を描いている。

美容整形を扱うだけに見解は様々かもしれない。ドラマの主人公・峯太郎も美容整形に良い印象を抱いていないのだから。このドラマは皮をはぐなどリアルな描写もあり、ただのキレイな美の世界で終わらせるような感じではない。しかし、メインキャストの背景に重点を置いてしまうため、最近は稲森いずみ演じる市井睦と峯太郎の関係などに移行しつつあった。

峯太郎も睦も無口なため、対立関係にあるのに会話のシーンも少ない。水と油の2人のやり取りで楽しませるわけでもない。そんな2人にどのような進展が用意されているのか、逆に疑問ではあった。だが、脚本は『蜜の味~A Taste Of Honey~』などを手がけた大石静なだけに、もしかしたらこれらを覆す巧みな展開があるのかもしれないと淡い期待はあった。しかし、そんな期待もむなしく、後半戦にさしかかる寸前で打ち切りが決定した。

かねてから日テレの水曜10時枠は低視聴率ドラマが多かった。しかし、ここ数年は爆発的にヒットした『家政婦のミタ』をはじめとする大当たりドラマも多い。軽く挙げてみても『ごくせん』、『14才の母』、『ハケンの品格』、『ホタルノヒカリ』など続編、映画化されているものが多い。それ以外のものはハズレ作と思いがちなのだが、視聴率を見てみると意外にも10%台後半をキープするものが多かったのだ。それなりに数字を取っていても話題にならないとは、不思議な枠である。

以前、同じく日テレが持っていたドラマ枠に月曜10時があった。そこは裏番組にフジテレビの『SMAP×SMAP』があったため、視聴率が伸びなかったことが原因とも言われている。しかし、今回の水曜10時枠はそのような強力な裏番組があるわけでもないので、ただ単純に当たり外れが激しいだけなのだろう。

歴史をたどると意外に長いこの枠。「蓋を開けてみたら当たった」という棚ボタのようなものもあるが、伝説的なヒット作が多いことも事実である。日テレ水曜10時“不思議枠”の次回作に期待したい。
(TechinsightJapan編集部 洋梨りんご)