エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「番組的によろしくない」。タモリが“徹子の部屋”で黒柳との会話は「聞けたものではない」と主張。

黒柳徹子の冠番組『徹子の部屋』に12月28日、年末恒例となったお笑いタレントのタモリが出演した。最近タモリが凝っている“整数次倍音”の理論を説明すると、黒柳も共感を示していた。ところが、それによると2人の会話は視聴者にとって『聞けたものではない』そうなのだ。

黒柳徹子とタモリの付き合いは長い。今回の『徹子の部屋』にタモリが出演するのは35回目となるが、黒柳は「最近分かったけれど、最初に出ていただいた時は素人だったのね」と振り返っていた。タモリが素人時代にテレビで初めて芸を見せた時に、偶然にも彼女は見ており「この人は面白い」と出演を依頼したという。

そんな2人は年末にタモリ家で食事をするのが恒例だが、今年は黒柳がお気に入りの料理店へタモリを招いてお食事デートが実現したのである。その時にタモリが触れたのが、中村明一氏が著した『倍音』の1冊だった。

中村氏は大学時代に工学部応用化学を学んでいる。彼は尺八の音を聞いて倍音の魅力に気づき、名のある尺八奏者に弟子入りしたのだ。そうした様々な経験を元に“倍音”を研究している人物である。

この日、番組ではその中村氏が『倍音』で展開する理論の大枠をタモリが再度、黒柳徹子に説明した。

それは次のような内容だった。音が出る時はその音と共に“倍音”が発せられる。基音の整数倍となる“整数次倍音”は例えば西洋音楽に多く使われ、それに比すると大雑把には雑音と言える“非整数次倍音”は東洋音楽に多く含まれ、尺八もそのひとつとなる。

聞いた時の特徴として、整数次倍音は“ギラギラしてカリスマ性、荘厳さを感じさせる”ところがあり、歌手では美空ひばり、浜崎あゆみなどがその音を多く発する。そして話し声ではタモリと黒柳徹子がそれに該当するのだ。

対して非整数次倍音は“親しみやすい”性質があり、歌手では森進一、宇多田ヒカルなどがその音を多く発している。話し声では堺正章やビートたけしがそれに当たると言うのだ。

これによると、タモリと黒柳徹子の声は“ギラギラ”した性質の整数次倍音であり、親しみやすい方が良いテレビでの声には適していないことになる。タモリは「私や黒柳さんが悪口を言うと凄く嫌味に聞こえるが、ビートたけしがどんなに毒舌を吐いても親しみをもたれる」とその違いを例えた。

そんな整数次倍音を持ちながらも、タモリは“いいとも”などで若手タレントとも親しく会話することで、その欠点を克服するスタイルを作り出したのだ。また、黒柳もゲストの話をしっかりと聞くことでその欠点を補っているのである。

ところが“徹子の部屋”では、その整数次倍音の2人が会話を弾ませることになる。タモリは「黒柳徹子とタモリがそろって話すのはギラギラして聞けたものではない」と分析すると、「番組としてはあまり良くないみたいですよ」と結論を出してしまった。

実は、黒柳徹子は同じ“整数次倍音”の話し声の持ち主と書籍で紹介されたことで、タモリとの共通点があると喜んでいたのだ。しかし、タモリからその内容を詳しく説明されてかなり残念そうだった。

番組の後半は黒柳が古物商役を務めて、タモリが外国人の客という設定でロシア語、イタリア語、中国語、スワヒリ語などで十八番のハナモゲラ語を披露して盛り上げた。結果的に内容の濃い番組にしてしまう2人の才能は“倍音”の作用さえ覆すようだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)