AKB48が行っている東日本大震災での被災地訪問は、11月13日で7回目となった。当日はあいにくの雨模様だったが多くの観客が集まりAKBのミニライブで盛り上がったのだ。この日は篠田麻里子も参加していたことから、子供達と一緒に“じゃんけん大会”をする場面も見られた。
今回、AKB48が訪れたのは震災の爪痕が深い陸前高田市だった。メンバーは前田敦子、篠田麻里子、仁藤萌乃、藤江れいな、宮澤佐江と研究生の岩田華怜(かれん)だ。岩田華怜は宮城県出身で3月11日に仙台市で震災を体験しており、今回の参加を申し出たという。
6人が被災地を訪問した様子がテレビ『MUSIC JAPAN』(NHK)で11月20日に紹介された。一行は岩田華怜が祖父母と再会を果たした後、建物など全てが津波に流されて今も荒地が広がる高田松原を訪れた。唯一残った“奇跡の一本松”を前にして、彼女達は夏の猛暑で衰弱した松の姿に言葉を失った。
現地の方は「岩手県的には自慢の場所だった」と松が弱っていることを残念そうに語ったが、現在は“奇跡の一本松”を救おうとプロジェクトも発足しており諦めてはいないとのことだ。AKBメンバーもそんな被災地の現状を見て、それぞれに何かを感じていたようだ。
その後、トラックを使ったステージが設置されたミニライブ会場に登場したAKB。迎えた観客には子供達の姿が目立った。雨の中でレインコートを着ながらも髪はずぶ濡れという状態だが、元気にAKBに声援を送ると、前田敦子も挨拶の中で「雨が凄いから気をつけて」と気遣っていた。そして、ステージでは「この際、ずぶ濡れになって楽しみましょう!」とAKBも雨に濡れながら精一杯のパフォーマンスを見せたのだ。
『Everyday、カチューシャ』や『風は吹いている』など数曲を披露した彼女達は、9月のじゃんけん大会で1位となった篠田麻里子を紹介すると“じゃんけん大会”をやろうと提案した。篠田麻里子がステージ上から会場の子供達とじゃんけんを行い、数度のじゃんけんを勝ち抜いて小学生高学年か中学生と思われる女の子が優勝したのだ。
彼女はステージに呼ばれてサイン入り色紙などを手にすると「一番好きなメンバーは?」と問われて「前田敦子さんです」と即答した。それを聞いて前田敦子が嬉しそうに両腕で包み込むようにすると「ずる~い! あっちゃんにハグされてずる~い」とAKBメンバーから羨ましがられていた。
今回のミニライブではかなり強い雨が降り続いたが、子供達の笑顔からはそれを跳ね飛ばすエネルギーがあったように思える。これからますます寒くなるが、AKBの訪問は被災地の人々の心を温めてくれるのだ。AKBが被災地訪問の活動を可能な限り継続してくれることを願いたい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)