66回目の「広島・原爆の日」となる8月6日に日付が変わった広島市から男性デュオ、ゆずの2人が楽曲『Hey和』をテレビ生放送で演奏した。
ゆずの北川悠仁は昨年から「Hey和」の作成にとりかかり約8ヶ月を費やして完成させた。今年の1月19日にシングルリリースしたが東日本大震災後には被災地からもリクエストが多い楽曲のひとつとして注目された。「広島・原爆の日」へと日付が変わった8月6日にニュース番組「NEWS ZERO」は深夜0時50分頃に広島平和記念公園に立つゆずの2人と生中継を行った。
番組ではVTRで北川悠仁が同曲を作るにあたり戦争体験者の方々を訪れ「後3ヶ月終戦が早ければ母は死なずにすんだ」、「戦争は何も罪が無いもの同士が戦い、何も知らない人民が大きな犠牲を受けねばならない」と言った生の声を聞く様子が紹介された。作詞作曲を進めた彼は岩沢厚治と共にその思いを込めて楽曲を作成し、昨年12月にトラックダウンした際には涙をためて「悔いなしですね」と感無量だった。
そうして完成した「Hey和」を「広島・原爆の日」に歌うにあたり、北川悠仁は「遠くにある平和とかでなく、自分のことのように思える平和の歌にしたい」とコメントし岩沢厚治は「戦争については学校で習って知っていても、今一度この曲を通して改めて考えなおすことができたらいい」と語った。
ライトアップされた原爆ドームが映し出された上に広がる8月6日の夜空には、彼らが歌う「Hey和」が響き、荘厳な空気さえ感じられた。歌い終わって北川は「取材を始めて、偶然ではなく必然的にこの場所にたどり着いた気がします」と改めて心境を語った。戦争について考えて作った同曲が震災後にまた別の意味を持ち、そして今広島でこうして歌える貴重な時間をもらえて感謝していると彼は話した。
スタジオからはキャスターの村尾信尚が「歌詞にある『どこにいたってひとりじゃないんだ』に共感した。今こそ日本全体に連帯感が必要と思う」と広島のゆずに投げかけた。それに対して北川は「震災の後のほうが被災者からもこの曲に『助けられた』という声をいただき、音楽が持つ力を改めて感じました」と答えていた。
「Hey和」は1月のリリース時には「日本赤十字社『はたちの献血』キャンペーンソング」でもあったが、これからはより多くの場面で人々に力をくれることとなりそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)