エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「負けねえぞ! 」石原裕次郎が新人時代の渡辺徹にかけた感動の言葉。

7月17日は昭和の大スター、石原裕次郎の24回目の命日となる。彼がドラマ「太陽にほえろ!」のボス役だった頃に、まだ新人だった渡辺徹(現50)が共演しているのだ。ボスの命日にライブを開催する渡辺徹が裕次郎との2人だけの思い出を明かした。

文学座にいた渡辺徹が当時圧倒的な人気を誇った刑事ドラマ「太陽にほえろ!」にラガー刑事役で出演したのが1981年だった。ちょうどその頃、七曲署捜査第一係のボス役でドラマの顔でもあった石原裕次郎は体調を崩して入院していた。まだ19歳だった渡辺徹はプロデューサーに連れられて病院へあいさつに訪れたのだ。今年、7月12日に放送されたテレビ「ヒルナンデス!」に出演した渡辺徹がその時の思い出を語った。

新人俳優の渡辺徹にとって石原裕次郎といえば雲の上の存在だ。緊張して病室に入るとすでに関係者が数人見舞っていた。「渡辺徹です、よろしくお願いします」と言うのがやっとだったが、裕次郎は彼の顔を見てはくれなかったのだ。後は緊張して立ち尽くすだけだった渡辺徹だが、しばらくすると「みんな、ちょっと出てくれ」と裕次郎は彼を残して人払いしたのである。2人きりになると裕次郎は彼の両手を強く握り締めて「よろしくな! 俺が今は休んで迷惑かけてるから、徹くん、その分がんばってくれよ!」と熱く語りかけてくれた。感動する渡辺徹にさらに裕次郎は「でもな俺も役者だ、復帰したらライバルだ、負けねえぞっ!」と言ったのである。「涙がボロボロ流れてとまりませんでしたよ」と渡辺徹は今でもハッキリとその時のことを覚えていると言う。

渡辺徹という男を石原裕次郎はかなり気に入っていたようで、他にもエピソードは多い。渡辺徹がまだ独身でアパートに1人暮らししていた頃に、裕次郎が住んでいたプールもあるような豪邸を引っ越すことになり「お前、ここに住むか?」と言い出したのだ。「家賃なんかとらないけど、生活は自分でしろよ」との夢のような話に渡辺徹も舞い上がった。しかし、裕次郎の運転手がこっそり彼に「やめといたほうがいいよ!」と助言した。「この家、電気代だけで1か月に○百万かかるから」と言われて、渡辺徹も夢から醒めたのだった。

また、彼と現在妻となっている榊原郁恵との交際が裕次郎の耳に入ると「本当か?」と彼に向かって「俺、郁恵ちゃんのファンなんだよ! 大事にしろよ」と明かすと「忙しい2人が会うのは大変だから俺の家を使えよ」などと気遣ってくれた。そしてドラマの撮影で2週間に1回顔を合わせると「郁恵ちゃん元気か、大丈夫か?」と必ず声をかけてくるのだ。「正直、うっとうしいと思った」と最後には渡辺徹も迷惑に感じるほどだったと言う。

そんな思い出のあるボス、石原裕次郎の命日7月17日に渡辺徹がライブを行う。『渡辺徹デビュー30周年ライブ』は7月17日15時~と18時半~の2回公演で、スイートベイジル六本木にて行われる予定だ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)