エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「ホントに好青年だった」。尾崎豊が通った店の店主キラー・カーンがその素顔を語る。

伝説のロック歌手、尾崎豊(享年26)が生前に愛したというカレーを出す店が新宿にある。店主である元プロレスラーのキラー・カーンがテレビ番組で尾崎豊の思い出を語った。

キラー・カーンは長州力やジャンボ鶴田らが活躍したプロレス全盛期に必殺技モンゴリアン・チョップを使うモンゴル人レスラーとして人気だった。大柄な彼はあのアンドレ・ザ・ジャイアントとも互角に戦える数少ないレスラーだったのだ。実力派の彼は、悪役の顔も持つレスラーとしてアメリカでも人気でマジソン・スクエア・ガーデンでメインイベントをとったこともある。そのキラー・カーンがプロレス引退後に新宿で飲食店を出している。彼はリングではモンゴル人の設定だったが、新潟出身の日本人でレスラーの前は相撲取りだったのだ。そんな彼の店がちゃんこ居酒屋「カンちゃん」である。

7月3日に放送されたテレビ「冒険JAPAN!関ジャニ∞MAP」では、新宿出身のタレント玉袋筋太郎の情報であの尾崎豊が通ったという「カンちゃん」を訪れた。同行した関ジャニ∞の渋谷すばる、村上信五は世代的にキラー・カーンを知らず、彼のレスラー時代の活躍と尾崎豊のエピソードを聞いて「伝説と伝説ががっぷり四つで!」と感動したのである。キラー・カーンは尾崎豊の思い出を語りだした。ある日、尾崎が「カンちゃん」にやって来て「おなか減った」と言うので「カレーならありますよ」と出すと「おいしい、おいしい」と喜んで食べたのだ。「それから来るたびに『カレー、カレー』って言ってた」とキラー・カーンは話す。この店の名物でもある「カンちゃんカレー」はキラー・カーンがおふくろの味と言うように家庭的なやさしい味が特徴で、尾崎もこの極めて普通の味を求めて通い詰めたのだ。

実はキラー・カーンは尾崎豊を全く知らず、彼が来ると客が「ロック界の凄い人なんだよ」と話すがピンとこなかったのである。若い客たちが騒いでサインをねだるのでキラー・カーンが「プライベートで来られているから勘弁してくれ」と制すと、尾崎は「カンさん大丈夫ですよ、サインしますよ」と客たちにサインをサービスしたそうだ。また「遠慮を知らない若い人たちが本人の前で『I LOVE YOU』とか歌うんだ」とキラー・カーンがマイクを持つ仕草をして話した。尾崎は嫌な顔をするどころか、もう1本のマイクを持つと一緒にその客とデュエットしたのである。「ホントに好青年でしたよ」とキラー・カーンは当時の彼を思い出していた。

その頃の尾崎豊といえばロックのカリスマとして人気絶頂だった。ともすればわがままになりがちな環境だったはずで、そんな彼の歌の内容からは気難しい性格で取っ付きにくいという感じさえ持ってしまう。だが、「カンちゃん」を訪れた時に見せた姿こそ尾崎豊の素顔だったのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)