その数々の奇行から約4か月前に人気シットコム『チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ』をクビになり、アシュトン・カッチャーに主役を取って代わられたチャーリー・シーン(45)。その後事実上「失業中」だった彼だが、「捨てる神あれば拾う神あり」ということで、このほど新しいシットコムへの出演契約が最終段階に達したといい、その新番組の全容が少しだけ明らかになった。
先日各メディアが、TVドラマ『MAD MEN マッドメン』や『Weeds ~ママの秘密』などの制作を手がけて来たライオンズゲート社とシーンの間で話し合われている、新たなシットコム出演の契約について伝えていた。このほど明らかになったその企画の内容は、03年に全米公開されたコメディ映画『N.Y.式ハッピー・セラピー (原題:Anger Management)』をゆるく原作とし、TV向けにリメイクしたものになるという。シーンはこの番組の主役に起用される。
映画では、俳優アダム・サンドラー演じる「気弱で人に立ち向かえない男」が、主役の「エキセントリックな心理セラピスト」を演じる俳優ジャック・ニコルソンに、ひょんなことから、「Anger Management(怒り抑制セラピー)」を受けることになる、というのがストーリー。しかし、セラピスト自身が怒り抑制セラピーが必要なくらいいつも怒っている、というのがミソ。
シーンはこのニコルソンが演じた主役で、「刑事裁判の被告のカウンセリングを担当するセラピスト」を演じるが、少しアレンジをきかせ、「オフシーズンにソーシャルワークの修士号を取得した元アスリート」という設定になるという。シーン演じる主役が自分も怒りが抑えられず、エキセントリックな行動を繰り返してしまうのが毎回のオチになるようだ。
シーンは声明文の中で次のようにジョークを交えて抱負を述べた。「このプロジェクトを選んだのは、私にとって怒り抑制セラピーが必要な役柄を演じることが大変難しいかもしれないことを考慮しつつ、グレートなコンセプトの作品だと思ったからだ。」
シーンと言えば2人の元妻へのDVで良く知られ、妻達に逃げられてからも、ポルノ女優を交えて暴力沙汰を起こし、自身が「怒り抑制」が最も必要であることは明らか。その彼がセラピストを演じるというのは、皮肉かつ逆説的で確かに面白そうだ。
シーンはまた出演契約上、シットコムの制作陣に対しクリエイティブな部分で意見を出す権利を与えられていることを挙げ、「この作品は自分にまたビジネスに戻るチャンスを与えてくれる」としている。
同シットコムは、シーンと映画『ヤングガン』『メジャーリーグ』『三銃士』など5作品でタッグを組んだことのある大物ジョー・ロス氏がプロデューサーを務める。しかし大きな問題点は、まだ放映するネットワークが決まっていないことだ。やはりシーンが主役だと、なかなか二の足を踏んでしまうのが常のようで、これでどこかの放映局が勇気を出してこの番組の放映を決めさえすれば、シーンの本格TV復帰が決まることになる。
元GFの「女神」からは「ベッドはロックスター級」だと褒められ、元妻ブルック・ミューラーからは「チャーリーがいないと寂しい」と元サヤ的発言も飛び出している、どう転んでも起き上がる「モテ男」のシーンだが、やっぱり仕事に復帰してこそ男が立つもの。どこの放送局が名乗りを上げるのか、今後の行方に注目したい。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)